2021年3月号掲載

良心をもたない人たちへの対処法

Original Title :OUTSMARTING THE SOCIOPATH NEXT DOOR:How to Protect Yourself Against a Ruthless Manipulator

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著者紹介

概要

平気で嘘をつき、他人を傷つけ人生を破壊する。そんな良心をもたない人たち ―― 「ソシオパス」は、職場や家庭、ネット上など私たちの身近にひそんでいる。しかも、その正体を見抜くのは難しい。こう警鐘を鳴らす臨床心理学者が、豊富な実例をあげてソシオパスの特徴を明らかにし、彼らの支配から身を守る術を具体的に説く。

要約

ソシオパスとは

 私は臨床心理学者として、20年以上にわたって「ソシオパシー(反社会性パーソナリティ障害)」の研究を続けてきた。そして、彼らソシオパス ―― 良心をもたない人のせいで心に傷を負った被害者の治療に携わってきた。

 ソシオパシーという考え自体は新しいものではない。良心をもちあわせていない心の状態は、少なくとも2世紀前から世界中の研究者によって説かれ、「妄想なき狂気」「精神病質的劣性」「精神病質(サイコパシー)」「社会病質(ソシオパシー)」など、様々な名前で呼ばれてきた。

 ソシオパシーと他の呼び名の間には、明確な定義があるわけではない。サイコパスは暴力的で、ソシオパスはそうではないと一般には考えられているが、これも正確ではない。いずれも良心が欠如した個人であり、そうした者の中には暴力的な傾向をもつ者もいれば、そうでない者もいる。

 では、ソシオパスはどう定義づけられるのか。

 『精神疾患の診断・統計マニュアル第五版』(『DSM-5』)によると、次の7つの「病理的な人格的特徴」のうち、3つ以上の症状がある場合、反社会性パーソナリティ障害と診断される。

①操作性

 他者に影響を与えたり、他者を操作したりするために頻繁に策略を用いる。

②虚偽性

 不誠実で、人をあざむこうとする。自分に関連する話を粉飾し、でっちあげる。

③冷淡

 他者の感情や問題に対する関心が欠如している。他者に対して攻撃的で、極度に残酷。

④敵意

⑤無責任

 経済的な義務、その他の義務や責任を果たさない。規則や約束を軽視する。

⑥衝動性

 刺激に対してその場の思いつきで反応する。計画を立てても、それに従えない。

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