2021年12月号掲載

「本当の自分」がわかる心理学

Original Title :DAS KIND IN DIR MUSS HEIMAT FINDEN

コミュニケーション・心理学健康・メンタルヘルス・医療

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著者紹介

概要

「私は無力だ」「私は独りきり」「私は愛される価値がない」 ―― 。そう信じ込むと、人間関係に苦しみ、人生がつらくなる。なぜそう考えるのか? そこを抜け出すには? 解決のカギは、子ども時代の自分にある! 自分の「内なる子ども」と向き合い、思考や行動のパターンをリセットする方法を、ドイツ屈指の心理学者が示す。

要約

無意識が私たちを操っている

 誰もが、「自分の身が守られ、安心でき、快く受け入れられている」と感じられる居場所を必要としている。子どもの頃に自宅がそんな場所であれば、温かい家庭は大人になってからも「心の拠りどころ」になる。

 また、親から愛されていると感じている子どもは、「自分が生きているのは基本的に良いことだ」と思うようになり、大人になってからもこの感覚を持ち続ける。そのような人は「自分は守られている」と感じる。すると、自分を信じ、他者を信頼できるようになる。

 この感覚を「基本的信頼感」と呼ぶ。基本的信頼感は、心の拠りどころのようなものだ。

「内なる子ども」の存在

 このように、子ども時代に刷り込まれた事柄は、私たちの性格と「自己価値感」(自分に価値があるという感覚)に大きな影響を与える。心理学では、その影響を受けた人格部分を「内なる子ども」と呼ぶ。

 子ども時代の経験のほとんどは、顕在意識ではなく無意識(潜在意識)の中に保存されている。だから、「内なる子ども」は“無意識の中の中核部分”ともいえる。そこに、子ども時代に感じた不安や苦しみ、それに、あらゆるポジティブな刷り込みもある。

「内なる子ども」が感情や思考を決める

 子どもの頃の不安と渇望は、大人になってからも無意識下で作用している。私たちは自分のことを“自らの力で人生を築いていく自立した大人”と思っているが、本当は「内なる子ども」が私たちの感情や思考、行動の多くを決めている。

 しかも、その影響力は大きい。「無意識が、私たちの経験と行動の80~90%を操っている」ということは、科学的にも証明されている。

様々な争いの原因は「内なる子ども」

 例を挙げよう。

 どうして、このようなすれ違いが起こるのか? それは、ミヒャエルの心の中にいる「内なる子ども」が「ソーセージを買い忘れたのは、僕のことをないがしろにしているからだ」と感じたからだ。

 彼の「内なる子ども」がそう感じたのは、過去に心に受けた深い傷のせいだ。子どもの頃に自分の願望を母親に真剣に受け止めてもらえず、そのことで心に傷を負っていた。そのためザビーネが自分の好物を買い忘れたことは、傷口に塩を擦り込まれるような行為だったのだ。彼は「ザビーネに対する自分の反応」と「母親との経験」が関連していることに気づいていない。それゆえ、ザビーネに対する怒りの感情を抑えられなかったのだ。

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