2019年10月号掲載

DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる

Original Title :ORCHESTRATING TRANSFORMATION:How to Deliver Winning Performance with a Connected Approach to Change

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著者紹介

概要

今、デジタルによる創造的破壊の波が、様々な業界に押し寄せている。企業がこの流れに対処し、デジタルで稼ぐ組織を作るにはどうすべきか。カギは、組織リソースの協働にあり。本書はこう指摘し、社内に分散する人やデータ、インフラを集め、連携させることで新たな顧客価値を生む手法、「オーケストレーション」を提示する。

要約

戦略的な方向性を定める

 今日、企業のエグゼクティブたちは、デジタルに“機会”と“脅威”を見いだし、行動を起こさなければならないと強く感じている。

 なぜなら、市場に強力なポジションを築いていたとしても、新しい技術やビジネスモデルによって、一瞬のうちに業界の力学がひっくり返されかねないからだ。

 「デジタル・ディスラプション(デジタルによる創造的破壊)」の第1波で最も大きな打撃を受けたのは、メディアや金融サービス、通信など、製品やサービスが容易にデジタル化される業界だった。これらの業界の企業は、従来のビジネスを再構築する必要に迫られた。

 そして今、ディスラプションの第2波が訪れつつある。この波は製品やサービスだけでなく、ビジネスモデルをもデジタル化しようとしている。

 その結果、デジタル化が起こりやすい業界のみならず、様々な業界の企業がデジタルによる「トランスフォーメーション(変革)」という課題に直面しているのだ。

「変革目標」とは何か

 今日、デジタルビジネス・トランスフォーメーション(DX)の実行は急務である。だが、ほとんどの場合、DXの実行を任された者は失敗する。

 失敗が多い理由の1つは、企業が、自分たちが直面している問題、すなわち、機会と脅威を正しく理解していないことにある。そして多くの変革プログラムは、戦略の方向性を決める前に実行に移ってしまう。変革に向けた努力の多くは、「ゴール」が明確でないため、始まる前から失敗する定めにある。

 また、あまりにも多くの変革が、「カスタマーバリュー創出」「ビジネスモデル」「対応戦略」と無関係に行われている。私たちは、これら3つの要素を合わせたものを「変革目標」と呼ぶ。変革目標は、変革プログラムを効果的に実行するための出発点となるものだ。DXを推進するには、まず、これを明確にしなければならない。

①カスタマーバリュー創出

 変革目標の第1の要素は、カスタマーバリューの創出だ。企業はまず、「顧客にとってどんな価値があるか」を明確に定義しなければならない。

 ディスラプションの核にあるのは、新しい、よりよい形のバリューを創出することである。ディスラプター(破壊的な企業)は、よりよいカスタマーバリューを提供する方法を発明して、既存の市場を破壊しているのだ。

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