プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

Original Title :Die protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus

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著者紹介

概要

プロテスタントの宗教倫理と、職業労働や近代資本主義との関連性を考察した、社会科学の古典である。なぜドイツの資本家や経営者にはカトリックではなく、プロテスタントが多かったのか? 人が働く動機とは? 19~20世紀初頭に活躍した、ドイツの社会科学者マックス・ウェーバーの著名な論考を、読みやすい新訳で紹介する。

要約

信仰と社会的な層の分化

 ドイツで、様々な宗派が信仰されている地域の職業統計を調べると、ある現象に気づく。

 それは、資本家や企業の所有者、そして教養の高い上層の社員には、プロテスタント(新教徒)的な性格の強い人々が圧倒的に多いということだ。

 昔にさかのぼって考えてみても、例えば16世紀のドイツでプロテスタンティズムを信仰したのは、自然条件に恵まれているか、交通の要地にあって経済的に発達した豊かな地方が多かった。

カトリックとプロテスタントの違い

 では、なぜ経済的に発達した地方で、プロテスタンティズムという宗教改革が受容されたのか?

 伝統的なカトリック教会の支配は極めて穏やかで、形式的な支配だった。これに代わって登場したプロテスタンティズムの支配は、家庭内の私的な生活から職業的な公的な領域まで、広く信徒の生活を規制し、厄介な規律を伴うものだった。

 そして、プロテスタントは教育に熱心だった。子供たちが受ける高等教育の種類は、両親がカトリックの場合とプロテスタントの場合では大きな違いが見られる。また、高校生や大学受験資格者に占めるカトリックの生徒の比率は、プロテスタントの生徒の比率よりも著しく少ない。

 さらに、手工業者向けの学校を出たカトリック信徒の子弟は、手工業の親方になる傾向がある。一方、プロテスタント信徒の子弟は工場に就職し、上層の労働者か、管理職になる傾向が強い。

 こうした職業の選択とその後の経歴の選択において、実家の宗教によって決定された教育の方向性が重要な役割を果たしているのは明らかである。

資本主義との親和性

 現代の学者も、カトリックとプロテスタントの生活態度について、次のように考えている。

 カトリックの信徒は穏健で、利益を獲得しようとする欲望に動かされることが少ない。そして、財産を獲得できる危険に満ちた生活よりも、収入は少なくても安全な生活の方を好む。〈うまいものを食って暮らすか、寝て暮らすかのどちらかだ〉という諺がある。プロテスタントはうまいものを食って暮らすことを好み、カトリックは寝て暮らすのを好むのである ―― 。

 実際、プロテスタントの多くが商人層の出身だ。また、聖職者の家庭から、傑出した資本主義的な実業家が多く誕生している。

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