2022.5.10

民主主義と資本主義の行方 ②古典的名著に学ぶ

民主主義と資本主義の行方 ②古典的名著に学ぶ
前回より2回にわたって、シリーズ「民主主義と資本主義の行方」をお届けしています。
第2回のテーマは、「古典的名著に学ぶ」。
民主主義と資本主義の“行方”を見通す上では、これらが歩んできた“道のり”を知ることもまた重要です。
民主主義と資本主義はこれまで、多様な社会の中でどのような役割を果たしてきたのか。その軌跡を提示してくれる良書5冊を選り抜きました。
ナチス台頭の時代に社会の「大衆化」に警鐘を鳴らした『大衆の反逆』をはじめ、時代を超えて読まれる“古典的名著”ばかりです。

2022年1月号掲載

大衆の反逆

原著の刊行は1930年。共産主義のソ連が成立し、ドイツでナチスが台頭する中、社会の“大衆化”に警鐘を鳴らした書だ。「みんなと同じ」ことに満足し、少数者を踏みにじる大衆は、なぜ生まれ、世界をどう変質させたか。かつて著者が危惧し、論じた問題は遠い昔の話ではない。分断と不寛容が広がる今日、改めて読みたい名著である。

著 者:オルテガ・イ・ガセット 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:2020年4月

2022年2月号掲載

自由論

他者に危害を与えない限り、個人の行動の自由は保障されるべきであり、国家がそれ以上の干渉を加えるのは慎まねばならない ―― 。19世紀イギリスを代表する哲学者の手になる、自由論の名著である。言論、思想の自由はなぜ重要か。自由の本質を説き、その大切さに気付かせ、考えさせる本書は、不滅の現代の古典といえよう。

著 者:ジョン・スチュアート・ミル 出版社:日経BP社(日経BPクラシックス) 発行日:2011年9月

2019年3月号掲載

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

プロテスタントの宗教倫理と、職業労働や近代資本主義との関連性を考察した、社会科学の古典である。なぜドイツの資本家や経営者にはカトリックではなく、プロテスタントが多かったのか? 人が働く動機とは? 19~20世紀初頭に活躍した、ドイツの社会科学者マックス・ウェーバーの著名な論考を、読みやすい新訳で紹介する。

著 者:マックス・ウェーバー 出版社:日経BP社(日経BPクラシックス) 発行日:2010年1月

2015年7月号掲載

文明の衝突

冷戦終結時、これで世界は平和に向かうと思った人は多いのではないか。だが、今も戦火はやまない。異なる文明を背景とするグループの対立が世界各地で続く。こうした現実を見ると、文明同士が衝突する要因を説いた本書の意義は今なお大きい。刊行から十数年。「世界の安全を守るには世界の多文化性を認めなくてはならない」、この言葉を改めて胸に刻みたい。

著 者:サミュエル・ハンチントン 出版社:集英社 発行日:1998年6月

2008年6月号掲載

資本主義と自由

シカゴ学派の代表的な経済学者ミルトン・フリードマン。「国家の裁量による政策をできるだけ排除し、市場の自由な調節に任せよ」 ―― 。こう主張した彼の著書『資本主義と自由』は1962年の刊行後、長らく絶版となっていた。その書が新たな訳で蘇った。50年以上前の本だが、内容は全く古びておらず、まるで今日の経済問題を論じているかのようである。

著 者:ミルトン・フリードマン 出版社:日経BP社(日経BPクラシックス) 発行日:2008年4月

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