2018年12月号掲載

方法序説

Original Title :DISCOURS DE LA MÉTHODE

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著者紹介

概要

『方法序説』は1637年に世に出た。原題は「理性を正しく導き、学問において真理を探求するための方法の話〔序説〕」。真理を見いだすための方法を求め、思索を重ねたデカルト、41歳の時の著作である。考える私、自らの思想や生を導く規準…。示される新しい哲学の根本原理や方法は、近代以降の学問の基礎をなすものといえる。

要約

方法の探求

 私がまだ若かった頃、哲学の諸部門の中では論理学を、数学の中では幾何学者の解析と代数を熱心に学んだ。この3つの学問は、私にきっと何か力を与えてくれると思われたのだ。

 しかし、それらを検討して次のことに気づいた。

 まず論理学は、未知のことを学ぶのに役立つのではなく、むしろ、既知のことを他人に説明したりするのに役立つだけだ。

 また、論理学は有益な多くの規則を含んではいるが、中には有害なものも混じっていて、それらを選り分けるのは難しい。

 次に解析と代数は、両者とも、ひどく抽象的で何の役にも立たないことにだけ用いられている。

 このような理由で私は、この3つの学問の長所を含みながら、その欠点を免れている何か他の方法を探求しなければ、と考えた。

4つの規則

 法律の数が多いと、しばしば悪徳に口実を与えるので、国家は、ごくわずかの法律が遵守される時の方がずっとよく統治される。

 同じように、論理学を構成しているおびただしい規則の代わりに、一度たりともそれから外れまいという決心をするなら、次の4つの規則で十分だと信じた。

 第2は、検討する難問の1つ1つを、できるだけ多く、しかもよりよく解くために、必要なだけの小部分に分割すること。

 第3は、思考を順序に従って導くこと。そこでは、最も単純で最も認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、最も複雑なものの認識にまで昇っていくこと。

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