2017年9月号掲載

反脆弱性 [上] 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

Original Title :ANTIFRAGILE

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著者紹介

概要

リーマン・ショック、アラブの春、原発事故…。予測不能、不確実な世界を私たちは生きている。その不確実性を味方につけ、したたかに生き抜くためのカギが「反脆弱性」だ。「現代の予測、予知、リスク管理のアプローチを根底からひっくり返したい」という著者が、混迷を極める今こそ必要な、新たな“思考のものさし”を示す。

要約

「反脆さ」「反脆弱性」とは

 あなたは郵便局にいる。シャンパン・グラスを小包で送るところだ。運搬中に割れるといけないので、あなたは「脆い」「ワレモノ注意」「取扱注意」などと書かれたスタンプを押す。

 さて、この「脆い」の正反対の概念とは?

私たちの概念にない「反脆さ」

 論理的にいえば、「脆い(壊れやすい)」荷物の正反対は、「取扱不注意」「乱暴にお取り扱いください」と書かれた荷物になる。

 本書では、このような小包を「反脆い」小包と呼ぶ。なぜ、こんな新語が要るのか?

 辞書を引いても、「脆さ」や「脆弱性」の逆の意味をひと言で表す単語は見当たらない。つまり、「反脆さ」や「反脆弱性」という概念は、私たちの意識からすっぽりと抜け落ちているのだ。

予測に頼らない

 反脆さの仕組みを理解すれば、不確実な環境の下で、予測に頼らずに意思決定を下すための指針が得られる。ビジネス、政治、医療など、未知が大部分を占める分野や、ランダムで予測不能、不透明な状況では、反脆さが大きな役割を果たす。

 システムに害をもたらす事象の発生を予測するよりも、「システムが脆いかどうか」を見分ける方がずっとラクだ。脆さは測れるが、リスクは測れない。

 私は、重大で稀少な事象のリスクを計算したり、その発生を予測したりすることはできないという事実を、「ブラック・スワン問題」と呼んでいる。脆さを測るのは、この問題の解決策となる。

 応用する分野は何であれ、本書では、脆さを緩和したり、反脆さを利用したりすることで、脆い状態から反脆い状態へと移転するための鉄則を提案する。

 

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