2018年4月号掲載

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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著者紹介

概要

シンギュラリティは訪れない。つまりAI(人工知能)が自分より優れたAIを作ることはない。だが、人の仕事の多くを奪う ―― 。AIの研究開発を指揮する著者は、こう予測する。そして教科書もろくに読めない、読解力の低い今の子どもは、将来、AIにできない仕事を引き受けられない、行き着く先は「AI恐慌」だ、と警鐘を鳴らす。

要約

AIはライバル

 AIについての話を始める前に、確認しておきたいことがある。それは、実は「AIはまだどこにも存在していない」ということである。

 AIはartificial intelligenceの略で、一般的な和訳は「人工知能」である。

 人工知能と言うからには、人間の知能と同等レベルの能力のある知能でなければならない。しかし、基本的にコンピューターがしているのは計算である。もっと正直に言えば、四則演算だ。

近未来に人工知能が誕生することはない

 人工知能の実現には、2つの方法論がある。

 1つは、人間の知能の原理を数学的に解明して、それを工学的に再現するという方法。

 もう1つは、人間の知能の原理はわからないが、あれこれ工学的に試したら、ある日、「いつの間にか人工知能ができちゃった」という方法である。

 前者は原理的に無理だと、多くの研究者が内心思っている。なぜなら、人間の知能を科学的に観測する方法がそもそもないからだ。

 後者の方法を主張する人は、飛行機の例をよく持ち出す。飛行機が飛ぶ原理は数学的に完全に解明されてはいないが、実際に飛行機は飛んでいる。だから、人工知能も工学優位で実現される、と。

「東ロボくん」プロジェクトから言えること

 私は2011年に、「ロボットは東大に入れるか」と名付けた人工知能プロジェクト(愛称「東ロボくん」)を始めた。

 とは言え、東大に合格するロボットを作りたかったのではない。目的は、AIにはどこまでのことができ、できないことは何かを解明すること。そうすれば、AI時代が到来した時、AIに仕事を奪われないためには、人間はどんな能力を持たなければならないかが自ずと明らかになるからだ。

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