2016年12月号掲載

LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略

Original Title :The 100-YEAR LIFE

LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略 ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

同じ会社でずっと働き、65歳で定年を迎える ―― 。こうした従来の常識は、人が100年以上生きる時代には通用しない! 長寿化の進行に合わせ、人々の働き方、考え方をどう変えるべきか。世界で活躍するビジネス思想家たちが、“100年時代”の新しい生き方を提示する。長寿化の先頭を歩む日本にとり、学ぶべきことは多い。

要約

教育・仕事・引退モデルの崩壊

 私たちは今、途方もない変化のただ中にいる。その大きな変化とは、長寿化の進行である。

 推計によると、2007年に米国やカナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳まで生きる。日本の子どもに至っては、107歳まで生きる確率が50%ある。

 過去200年、平均寿命は右肩上がりで延びてきた。1840年以降、最も長寿の国の平均寿命は10年ごとに2~3年ずつ延びている。しかも、このペースが減速する気配は見られない。端的に言えば、若い人ほど長く生きる可能性が高いのだ。

 すなわち、上述のように、2007年生まれの50%が到達する年齢が104歳なら、10年前の1997年生まれの人の場合、その年齢は101~102歳という計算になる。さらに10年前の1987年生まれの人は98~100歳だ。1977年生まれは95~98歳、1957年生まれは89~94歳となる。

 人が100年以上生きる時代 ―― 「100年ライフ」の到来で、私たちの人生はどう変わるのか。

 ここでは別々の世代に属する3人の人物を登場させ、100年ライフのお金の問題を見ていこう。3人の名前は、ジャック、ジミー、ジェーン。彼らの勤労年数と引退年数の関係を検討し、老後の生活資金を確保するために、勤労時代にどれだけ蓄えればいいかを推計する。この3つのモデルでは、次の4つの要素を基に計算した。

  • ・老後の生活資金は、引退前の最終年間所得の50%の収入を毎年確保することを目指す。
  • ・長期の投資利益率、つまり長い目で見た貯蓄や投資の利回りは、年平均3%とみなす。
  • ・所得上昇のペースは、年平均4%と想定する。
  • ・誰もが65歳での引退を望むと仮定する。

ジャック(1945年生まれ)

 1945年生まれのジャックは20歳で大学を出て、仕事の世界に入った。エンジニアとして成功を収め、最後には会社の上級幹部にまでなった。景気後退に見舞われ、職を失うこともあったが、全体としては順調な職業人生を送ることができた。42年間勤労し、62歳で引退。70歳で世を去った。

 ジャックは最終所得の10%相当を公的年金から受給できた。加えて、最終所得の20%程度の企業年金を受け取れた。そのため、最終所得の50%程度の生活資金を確保するためには、あと20%分の貯蓄をすれば足りた。

 もう1つ大きな好材料は、42年の勤労期間に対し、引退期間が8年にとどまったことだ。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2) 100年時代の行動戦略

アンドリュー・スコット 東洋経済新報社

儒教とは何か 増補版

加地伸行 中央公論新社(中公新書)

良心をもたない人たち

マーサ・スタウト 草思社(草思社文庫)

幸福論

カール・ヒルティ 岩波書店(岩波文庫)