2013年12月号掲載

良心をもたない人たち

Original Title :THE SOCIOPATH NEXT DOOR

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著者紹介

概要

一見、魅力的だが、平気で嘘をつき、人を傷つける…。良心をもたないために、他者への思いやりが欠落し、手段を選ばずに自分の欲望を満たそうとする人たちがいる。本書は、米国で25人に1人いるとされる、こうした良心のない精神病質者について解説したもの。心理セラピストが、彼らの実態、恐るべきテクニック、被害に遭わないための見分け方などを教える。

要約

良心がない「サイコパス」

 想像してみてほしい ―― もし想像がつくなら、の話だが。

 あなたに良心というものがかけらもなく、どんなことをしても罪の意識や良心の呵責を感じないとしたら。どれほど自分本位な、あるいは不道徳な行為をしても、恥を全く感じないとしたら。

 そんなあなたは、どのように人生を送るだろう。答えは、あなたの欲望次第で変わってくる。

 例えばあなたが、金と権力が大好きな人で、良心はかけらもないが、IQは高いとしたら…。

 あなたは、満々の野心と高い知能を背景に富と力を追い求める。事業、政治、法律などの有力な職業を選び、ひたすら上昇を目指し、道徳や法律の足かせには目もくれない。帳簿をごまかし、従業員や顧客を平然と裏切り、金目当ての結婚をし、同僚を陥れようと画策する。そんなことができるのも、ひとえに良心に縛られないからだ。

 あるいは、野心は満々だが、知能的にはそれほど恵まれなかったとしたら。

 あなたは心の奥底で、自分には独創性がなく、権力の高みには手が届かないとわかっている。その結果、世の中に怒りを抱き、周囲の人をねたむ。

 このたぐいの人は、自分が少数の人々をそこそこ支配できる穴場に身を沈める。支配する相手としては、無力な人々が望ましい。職業は教師、弁護士かもしれない。自分の支配下にある人たちを操作し、いばり散らす。人を脅すと、愉快になる。

 あなたは力に全く関心がない。それどころか、何に対しても意欲をもたない。唯一の望みは、努力せずにのらくらやっていくこと。

 あなたは居眠りをし、一日中どこかをぶらついて毎日をすごす。親族や友人の情けにすがり、いつまでもその暮らしを続ける。人から、怠け者と非難されても、罪の意識に襲われることはない。自分を怠け者だとも、恥ずかしいとも思わない。