2016年3月号掲載

男はなぜこんなに苦しいのか

コミュニケーション・心理学健康・メンタルヘルス・医療
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著者紹介

概要

アルコールを飲まないとリラックスできない、仕事の苦労を相談する友人がおらず苦しい…。ビジネス環境が大きく変わる中、ストレスを抱え、心の不調を訴える男性が増えている。彼らは何に苦しめられているのか? ストレス予防のために何をすべきか? ストレスから「今すぐ」抜け出す思考法を、心療内科医が紹介する。

要約

苦しむ現代の男性たち

 男性のストレスについて、今、私が本書を書くのには理由がある。その1つは、現場にいて男性たちの「限界感」をひしひしと感じるからだ。

 かつての終身雇用と年功序列が消え、人員削減の嵐が吹き、流通手段も営業のあり方も変わるという、ストレス要因の多い時代に適応できない人が増えた。あるいは、新しいシステムに適応しようとしてがんばりすぎ、自分の存在価値を見失っている人たちの悲鳴を感じるのだ。

 これまで男性は、仕事でよりよい居場所に登りつめることに全力を注いでいた。ステップアップすることはストレスになる。しかし、たとえ登りつめられなくても、その居場所から排除されるようなことはなかった。業績のいい勤め先に入れば一生安泰だった。だからこそ男性たちは、たとえ多少居心地が悪かろうと、酒やタバコや仲間とのグチでそれを紛らわし乗り切ってきた。

 ところが今は違う。ちょっとした気晴らしでは乗り切れない状況に突入しているのだ。

アルコールにはまるエリート男性

 竹村孝一さん(仮名・40代)は自分のプロジェクトチームを持つリーダー。その彼が、蕁麻疹が続くということで、私のクリニックを訪れた。

 連日終電まで働き、午前0時過ぎに帰宅、翌日早朝から出社する生活が数カ月続いていた。職場でそれなりの評価を得ている彼は、これを受け入れてきた。しかし30代後半、プロジェクトのリーダーになった頃から状況は変化していった。

 社内は団塊世代が定年退職して若返りが進み、そのおかげで竹村さんもリーダーになったのだが、同世代の仲間との交流は減少。友人も各々別のチームを率いるようになった。そうなると、彼らは競争相手であり、もう本音でものを言えない。

 そんな中、蕁麻疹のかゆみに襲われた竹村さんは、皮膚科を受診。検査で肝障害が発見され、アルコールの多飲について問診された。それがきっかけで、心療内科を受診した。

 竹村さんは、自分でも最近のアルコールの飲み方には不安を感じていた。だが不安を認めたくない思いが強く、さらに飲んでまぎらわしていた。

 アルコール依存というと、かつてはエリート社員のイメージはほとんどなかった。しかし最近はアルコールに依存するエリート男性が増えた。

 昼間はきっちりと社会に適応する。だが、過剰に適応したが故に生まれるストレスをまぎらわすためにアルコールがないと生活が続けられない。それがエリート男性のアルコール依存の特徴だ。

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