2016年2月号掲載

人間的魅力の研究

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著者紹介

概要

他者を惹きつける人と、そうでない人の差とは? 『呻吟語』の著者・呂新吾による魅力の3分類 ――「深沈厚重」(私心が全くない人)、「磊落豪雄」(些事に拘泥しない、実行力のある人)、「聡明才弁」(秀才で弁舌さわやかな人)を軸に、「人間的魅力」を追究した。西郷隆盛、土光敏夫など、随所に引かれるエピソードも興味深い。

要約

人間的魅力とは

 かつて城山三郎から、こんな手紙をもらった。

 「騒然とした時代となりましたが、わたしはこの一両年、広田弘毅元首相という静かに燃え沈む落日のような題材ととり組み、むしろ救われる思いでした」

 性来、地味な上にも地味な城山が、これだけの表現をするのはよくよくのことである。〈心からこの人物に打ち込んだな〉と思った。やがて、この城山の思いは、『落日燃ゆ』の1冊に凝縮した。

 ありていにいえば、人物論は、好きか、嫌いかのどちらかである。つまり、好きで、好きでたまらぬ人間を描いた時か、反対に殺してやりたいほど憎い奴をとりあげた場合にのみ成功する。

性格こそ魅力

 「人間的魅力」もまた、好きか、嫌いかの二者択一である。

 たとえ、そいつが悪党とわかっていても、魅力があればどこまでもついていくし、反対に善人でどんなに立派なことをいっても、魅力がなければついていかない。それが人間である。

 だから、友を選ぶ場合には、何よりも気質、性格が合うことを第1として、主義主張の合う、合わないは第2にすべきであろう。

 主義とか、主張だとかは、それを信じている時には、極めて強いもののように思われるが、一朝にして変わってしまう危険性もある。ところが、気質とか、性格とかは大体、一生変わらない。

 重ねていう。人間の面白みは性格にある。性格によって言葉つきも違えば、考え方も違う。いいかえれば、性格がその人の運命である。

3つの資質

 「性格こそ魅力だ」と書いたが、「では、人間の魅力とは何か?」と問われれば、「いわく、言い難し」と答える以外に適当な言葉がない。

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