良い戦略、悪い戦略

Original Title :GOOD STRATEGY, BAD STRATEGY:The Difference and Why It Matters

企業戦略・戦略論
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著者紹介

概要

“戦略の戦略家”と称されるリチャード・P・ルメルトが、「良い戦略」を立てるための手がかりを示した書。世にはびこる諸々の「悪い戦略」を徹底分析する中で、良い戦略とはいかなるものかを明確にする。「戦略策定の要諦はカーネル(診断、基本方針、行動)にあり」とする著者の戦略論は、簡潔にして普遍性があり、あらゆる組織において役立つだろう。

要約

悪い戦略の4つの特徴

 良い戦略は、直面する難局から目をそらさず、それを乗り越えるためのアプローチを提示する。状況が困難であるほど、行動の調和と集中を図り、競争優位へと導くのが良い戦略である。

 だが残念ながら、良い戦略はめったにない。「私には戦略がある」という経営者は少なくないが、実際には、その戦略の多くは「悪い戦略」である。

 悪い戦略は、誤った発想とリーダーシップの欠如によってもたらされる。そして悪い戦略は、次の4つの特徴から見分けることができる。

①空疎である

 空疎な戦略とは、わかりきっていることを専門用語や業界用語で煙に巻くような戦略を意味する。

 例えば、「我々の基本戦略は、顧客中心の仲介サービスを提供することである」という、ある大手リテール銀行の戦略がそうだ。

 「仲介サービス」とはなかなか響きの良い言葉だが、要はお金を預かって貸し出すということで、銀行の本業に他ならない。「顧客中心」はサービス業なら改めて言うまでもない。要するに、「顧客中心の仲介サービス」は全く中身のない言葉だ。

 このように、わかりきったことを必要以上に複雑に見せかけるのが、悪い戦略の特徴の1つだ。

②重大な問題に取り組まない

 戦略とは、本来困難な課題を克服し、障害物を乗り越えるためのものである。その課題に立ち向かわないなら、戦略の意味をなさない。

 米国の農機具メーカーのインターナショナル・ハーベスターは1977年、業績回復のためにアーチー・マッカーデルをCEOに迎えた。

 彼は「戦略プラン」を立案したが、それは典型的な悪い戦略だった。このプランは5つの事業部がそれぞれ作成したプランの寄せ集めで、各事業部のシェアの拡大とコスト削減を実行し、会社全体の売上高と利益を拡大しようというものだった。

 この戦略プランの最大の問題点は、「誰もが気づいていながら口に出さない脅威」を無視したことだった。同社は余剰人員を大量に抱えた非効率な組織で、しかも労使関係は最悪だった。

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