2010年11月号掲載

読書について 他二篇

Original Title :PARERGA UND PARALIPOMENA:KLEINE PHILOSOPHISCHE SCHRIFTEN

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著者紹介

概要

19世紀ドイツの哲学者ショウペンハウエルが、読書や文学などについて述べた評論3篇を収める。「1日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失ってゆく」「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである」…。その箴言の数々は、“出版洪水”の中を生きる我々に貴重な示唆を与えてくれる。

要約

思索について

 数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ、蔵書の効用はおぼつかない。

 逆に、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であれば、優れた効果を収める。

 知識の場合も、事情は全く同様である。

 いかに多量にかき集めても、自分で考え抜いた知識でなければその価値は疑問で、量では見劣りしても、幾度も考え抜いた知識であれば、その価値は高い。

 何か1つのことを知り、1つの真理をものにしようとすれば、それを他の様々な知識や真理と結合し、比較する必要がある。この手続きを経て初めて、自分自身の知識が完全な意味で獲得され、その知識を自由に駆使することができる。

 我々が徹底的に考えることができるのは、自分で知っていることだけである。

 知るためには学ぶべきである。

思索で得た真理は、書中の真理に100倍勝る

 読書は思索の代用品にすぎない。読書は他人に思索誘導の務めを委ねる。

 誰でも、次のような悔いに悩まされたことがあるかもしれない。

 それは、自ら思索を続け、ようやく探り出した1つの真理、1つの洞察も、他人の著した本をのぞきさえすれば、見事に完成した形でその中に収められていたかもしれないという悔いである。

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