2008年10月号掲載

記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方

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著者紹介

概要

「歳のせいで覚えが悪い」などと愚痴をこぼす人がいる。しかし、諦めてはいけない。記憶力は歳をとっても鍛えることができる。このように語る著者が、脳科学の研究成果に基づき、記憶が脳に蓄えられるメカニズム、そして効率的に記憶力を鍛える方法を紹介する。「記憶術」「暗記法」に関する本は数多あるが、それらとは一味違う、科学的驚きに満ちた1冊である。

要約

脳科学から見た記憶

 考える、悩む、想像する…。多彩な能力を発揮する脳は、体の中でも、とりわけ複雑で奥深い。

 この脳の複雑な働きを担うのが、脳に含まれる「神経細胞(ニューロン)」だ。

 神経細胞の数は約1000億個で、並び方や形には、全くと言ってよいほど個人差がない。また、神経細胞には増殖する能力がないため、歳をとるにつれて減っていき、決して増えない。

 ―― そう考えられてきたが、2000年、この常識を覆す新事実が、英国の認知神経学者マグワイアによって報告された。

 ロンドン市内には2万4000もの通りがある。これらの通りを全て覚えるには、毎日市内を走るタクシー運転手でさえも数年はかかるという。そして、一方通行、ロータリー、数千件もの目標物などに関する記憶は、膨大な情報量になる。

 マグワイアは、これらを覚えているタクシー運転手の卓越した記憶力に着目し、タクシー運転手16人の脳の構造を調べた。

 その結果、彼らの場合、「海馬」と呼ばれる脳部位が、一般の人より大きいという事実が判明した。さらに、タクシー運転手でもベテランであるほど、その脳部位が発達していることがわかった。

 この発見は、2つの意味で衝撃的だった。

 タクシー運転手たちに発達していた海馬の役割を一口で言えば、「記憶情報の管理塔」である。

 我々が見たり触ったりして得た情報は、まず側頭葉に送られる。側頭葉は名前の通り頭の側面にあたり、物事を認識する上で重要な部位である。

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