2006年3月号掲載

マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール

Original Title :THE ZURICH AXIOMS

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著者紹介

概要

人生を生きる賢明な方法は、リスクを回避することではなく、自らをあえてリスクにさらすことである ―― 。このように考えるスイス人は、より多くのお金を得るためにリスクをとって賭けをする。ただし、彼らには合理的にリスクをとるためのルールがある。それが“チューリッヒの公理”だ。世界の銀行家として名高いスイス人の、投機の知恵が明かされる。

要約

チューリッヒの公理

 スイスは、地球上で最も鉱物資源に乏しい場所である。土地は荒れ、農業にも適さない。しかし、スイス人は世界で最も繁栄した人々である。

 スイス人は、どうやって現在の地位を築いたのか? 世界で最も賢い投資家、投機家、ギャンブラーとして、それを手に入れたのだ。

 人生はギャンブルである。多くの人はこの事実に不満であり、どうしたら賭けをしないで済むかを考えながら人生を過ごす。しかし、スイス人は反対の道を選ぶ。彼らは、真正面からリスクに向かい、それをどう管理するかを考える。

 自らをリスクにさらし、大きな利益が期待できるような方法で賭けて、勝つ —— それを実現するのが「チューリッヒの公理」という法則であり、次のような12の公理から成る。

第1の公理:リスクについて

 心配は病気ではなく健康の証である。もし心配なことがないなら、十分なリスクをとっていないということだ。

 例えば、仏教のいくつかの宗派は、人は物欲を持つべきでなく、所有物を他人に分け与えるべきだと考える。その理屈は、持たなければ持たないほど、心配の種が少なくて済むということだ。

 チューリッヒの公理の背後にある哲学は、この正反対にある。心配から解放されるのは、ある意味で良いことだ。しかし、有能なスイスの投機家なら誰もが、人生のゴールが心配から逃れることなら、貧困から抜け出せないと言うだろう。

 人生は座していてはいけない、冒険すべきだ。冒険は、人生を生きる価値のあるものにする。そして冒険したいなら、自分をリスクにさらすことだ。第1の公理には、次の2つの副公理がある。

①いつも意味のある勝負に出ること

 投機するなら、傷つくことを厭わない気持ちでスタートしなければならない。少しでもいいから、“心配になるような金額”を賭けるのだ。

②分散投資の誘惑に負けないこと

 分散されたポートフォリオを持つことは、資産形成の理論の中で最も崇拝されているものの1つである。だが、分散投資には重大な欠陥がある。

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