2006年1月号掲載

株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす

Original Title :THE FUTURE FOR INVESTORS

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著者紹介

概要

「成長の罠」。これは本書のキーワードの1つで、目先の成長に目を奪われると、投資家は痛い目に遭う、というもの。本書では、この成長の罠に陥ることなく、市場平均を上回るリターンをもたらす銘柄を突き止めるための“投資の基本原則”を紹介する。また、人口動態を基に世界経済の未来を予測、先進国が高齢化しても、投資家の未来は明るいとの説を展開する。

要約

投資家リターンの基本原則

 投資家の未来は明るい。世界は今、過去に例を見ないほど、爆発的な成長の時代を迎えようとしている。

 悲観論者らが、「やがてベビーブーマー世代の退職が始まれば、社会保障制度が崩壊し、企業の年金制度が破綻して、金融市場が崩壊する」と説いているが、それは間違いだ。

 基礎的な人口動態と経済のトレンドを背景に、世界経済の軸は急速に東へとシフトしている。まもなく、米国、欧州、日本は、舞台の中央から姿を消すだろう。そして、21世紀半ば、中国経済とインド経済を合わせると、先進国全体をしのぐ規模になっているだろう —— 。

 では、そのような大変化の時代に、投資家はどのようにポートフォリオを構築すればよいのか?

「成長の罠」にはまらない

 技術革新のおかげで、幾千人もの発明家・起業家が大金持ちになった。投資家は、そうした革新者の巨万の富を見るにつけ、革新的な新興企業に投資するのが正解だと考えるようになる。

 ところが事実は逆で、最先端を行く企業がお買い得であることはめったにない。投資家はやみくもに成長性を追い求めるあまり、変化が速く、競争が激しすぎる業界の銘柄を過大評価するのだ。

 これが「成長の罠」である。

 成長の恩恵が流れ込む先は、個人投資家ではなく、発明者や創業者、ベンチャーキャピタル、投資銀行、そして消費者である。個人投資家は成長の分け前にあずかるつもりで、実際には損を引き受ける仕組みになっている。

 50年前といえば、ハイテク企業の急成長が始まる頃で、売上高、利益等、成長力を示すどの指標でも、IBMがスタンダード・オイルを上回っている。

 しかしここで「IBM」と答えたら、まんまと成長の罠にはまったことになる。50年後、スタンダード・オイルに投資した1000ドルは126万ドルに増えている。一方、IBMに投資した1000ドルは96万1000ドルだ。

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