2005年10月号掲載
経営者の条件 ドラッカー名著集1
Original Title :The Effective Executive
著者紹介
概要
本書は、“マネジメントの父”ピーター・F・ドラッカーの三大古典の1冊『The Effective Executive』の新訳である。知識労働者が成果を上げるためには、いかなる行動を取るべきか。それを、時間管理、貢献、強み、集中、意思決定という、5つの視点から説く。経営者のみならず、全てのビジネスパーソンにとっての必読書といえる1冊。
要約
成果を上げるための5つの能力
エグゼクティブの仕事は、成果を上げる、すなわち、物事をなすことである。にもかかわらず、物事をなすべき者のうち、大きな成果を上げている者は少ない。
彼らは知力も想像力もあり、知識の水準も高い。しかし現実には、頭のよい者が、しばしば呆れるほど成果を上げられない。
知力や想像力は、あくまでも基礎的な資質である。それらを結果に結びつけるには、成果を上げるための能力が必要だ。それは次の5つである。
①汝の時間を知れ
成果を上げる者は、「時間」からスタートする。つまり、自分の時間が何に取られているのかを明らかにすることから始める。
成果を上げる者は、時間が制約要因であることを知っている。時間は、借りたり、買ったりして増やすことができない。他のもので代替することもできない、特異な資源である。
そうした時間を、無駄に使わせる圧力は常に働いている。仕事には時間を無駄にするものが多い。
例えば、上得意からの電話に向かって販売部長は「手がふさがっている」とは言えない。娘が希望の大学に入れそうかという話であろうと、耳を傾けねばならない。
こうした、成果には何も寄与しないが、無視できない仕事に時間を取られる。
しかも、仕事のほとんどは、たとえわずかな成果を上げるためでも、かなりまとまった時間を必要とする。細切れの時間では意味がない。
従って、時間の管理は重要である。
時間の管理に取り組むには、まず、時間を記録する必要がある。