2004年11月号掲載
駆け出しマネジャー アレックス リーダーシップを学ぶ
Original Title :THE TOOLS OF LEADERSHIP
- 著者
- 出版社
- 発行日2004年9月2日
- 定価1,540円
- ページ数219ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
世界14カ国でヒットしている「駆け出しマネジャー アレックス」シリーズの第1弾。主人公のアレックスが、奮闘しながらリーダーに必要なスキルを身に付けていく物語だ。最近増えている「物語仕立て」のビジネス書と少し異なるのは、学ぶべきポイントがしっかり解説されているので、理解しやすい点である。その意味で、研修用のテキストにも適しているだろう。
要約
リーダーシップの公式とは?
アレックスはロンドンにある広告代理店DKNUに新しく着任したCEO(最高経営責任者)。倒産寸前の同社を救うべく、送り込まれた。
だが、アレックスを待っていたのは社内の不協和音だった。挑戦的な態度をとるアカウント・ディレクターのダグ、芸術家肌で、コスト削減を中心とした改革案に難色を示すクリエーティブ・ディレクターのサンドラ…。要するに社内はバラバラだった。こんな状況の中、どのようにして、改革を進めていけばよいのか?
* * *
リーダーシップとは、ビジョンを掲げ、部下のやる気を引き出し、イニシアティブ(優先課題への取り組みと自主的な行動)に弾みや勢いをつける能力である。車にたとえるなら、未来の地図を描き、エンジンに点火し、ギアをトップに入れて走り続ける能力といえる。
真のリーダーは、これら3つを全て兼ね備えている。そしてこの3つは、「リーダーとしての仕事」でもある。
まとめると、それは次のような公式になる。
-
- リーダーシップ = 未来の地図を描く × エンジンに点火する × ギアをトップに入れる
リーダーシップを議論する際、「リーダーの仕事」、その時に使う「テクニック」、そして「個性や資質」という3つが混同されやすいので、注意する必要がある。
リーダーの個性や持って生まれた資質は、テクニックとは正反対のものである。これらを手軽にマスターできる魔法などないし、全てを兼ね備えた理想的な人物などまずいない。自分の性格を変えられるかどうかも疑問である。そんなことに時間を費やすくらいなら、テクニックを習得する方がよい。個性や資質を身に付けるのは難しいが、テクニックは習得できるからだ。
準備は抜かりなくやる
有能なリーダーは、変化を起こす前に、時間をかけて実態を把握しようとする。そして、次の3点について答えを探る。
①どこにエネルギーを注ぐか
チームにとって最優先すべきことは何か? リーダー自身が時間を割くべき問題は何か?
②事態の緊急性をどう説得するか
変革よりも現状維持の方が危険であることをどう納得させるか? どんな事実や証拠を示せばよいか? 改革の気運を高めるにはどうしたらよいか?