2018.5.10

ビジネスに活きる“心理学”

ビジネスに活きる“心理学”
近年、経済学や経営学の分野では、“心理学”の知見を取り入れ、応用する研究が注目を集めています。
昨年のノーベル経済学賞を受賞した、行動経済学の大家リチャード・セイラー教授は、その代表者の一人と言えるでしょう。また、経営学においても、特にマーケティング分野で、心理学を活用した取り組み事例が増えつつあります。
もちろん、心理学の知見はビジネスパーソンにとっても有用です。そこで今回は、心理学をビジネスに取り入れる際に参考になる書籍9冊を選びました。
顧客の購買欲を引き出す、取引先との交渉を有利に進める、部下を思うように動かす…。いずれの書籍にも、人間の心理と行動に関する興味深いエピソードや、心理学に裏付けられた具体的な方法論が示されています。

2018年2月号掲載

「欲しい」の本質 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方

今の時代、買って不満を感じるレベルの商品はほとんどない。だが、とりたてて「欲しい」ものもない。消費者の多くがこう感じる中、どうすればヒットを生み出せるのか。カギは「インサイト」(人を動かす隠れた心理)にある、と本書は指摘。その読み解き方や、消費者の「欲しい」を刺激するアイデアを、事例を交えつつ公開する。

著 者:大松孝弘、波田浩之 出版社:宣伝会議 発行日:2017年12月

2017年2月号掲載

「ココロ」の経済学 行動経済学から読み解く人間のふしぎ

経済学では、人は「合理的な存在」とされる。だが、実際はそうではない。健康に良くないとわかっていてもタバコやお酒が止められない、そういう“ココロ”の弱さを誰もが持っている。本書は、こうした感情的な側面を重視する「行動経済学」の視点から、人の判断がどんなメカニズムで生み出されるのか、解き明かしていく。

著 者:依田高典 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2016年12月

2017年9月号掲載

あなたが望む以上の成果が得られる! スタンフォード&ノースウエスタン大学教授の交渉戦略教室

「あなたが望む以上の成果を実現する交渉戦略」の立て方を示す。世に交渉術の本は多いが、本書が説くのは経済学と心理学、両方の視点から交渉する方法。経済学の視点で交渉の成果を測り、心理学の視点で交渉の際の人の反応を理解する。これをベースに交渉すれば、希望がはっきり伝わり、相手が気持ち良く承諾してくれる!

著 者:マーガレット・A・ニール、トーマス・Z・リース 出版社:講談社 発行日:2017年6月

2017年12月号掲載

「話し方」の心理学 必ず相手を聞く気にさせるテクニック

相手が集中して話を聞いてくれない、こちらの説得を受け入れない…。会話において、なぜこうした反応が返ってくるのか、その奥にどんな感情があるのか、米国の産業心理学者が分析し、対処法を示した。1963年の刊行以来、全米で読み継がれてきた対人術の名著。コミュニケーション力、対人能力を磨く上で、大いに役立つだろう。

著 者:ジェシー・S・ニーレンバーグ 出版社:日本経済新聞出版社(日経ビジネス人文庫) 発行日:2017年10月

2009年8月号掲載

影響力の武器 実践編 「イエス!」を引き出す50の秘訣

世界的ベストセラーとなった社会心理学の名著、『影響力の武器』の実践編である。「社会的証明の原理」「返報性の原理」など、『影響力の武器』で示された、6つの社会的影響力の原理に基づく説得テクニックを本書は披露。わざと相手に不便を感じさせて説得力を高める方法など、様々な分野における50の事例を、ユーモアを交え、わかりやすく解説する。

著 者:ノア・J・ゴールドスタイン、スティーブ・J・マーティン、ロバート・B・チャルディーニ、安藤清志(監訳) 出版社:誠信書房 発行日:2009年6月

2009年9月号掲載

実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択

人間は、いつでも合理的な判断をするわけではない。しばしば、過去の記憶や他人の言動など、様々な要素の影響を受けて「不合理な判断」を下してしまう。本書では、こうした判断がどのようなメカニズムで生み出されるのかを、多数の例を挙げて解説。そして、我々が生活する上で判断に迷いがちな、医療、貯蓄、投資といった場面で、判断ミスを防ぐ方法を紹介する。

著 者:リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン 出版社:日経BP社 発行日:2009年7月

2008年3月号掲載

相手を思いのままに「心理操作」できる!

著者は、対人心理学の知識を様々な場面に応用し、米国で大きな実績を上げている行動心理学者。同時に、コンサルタントや交渉家としても活躍している。そんな著者が、プライベートでも仕事でも、あなたを利用しようとする人や、あなたの成功を妬む人を鋭く見分け、逆に心理操作して優位に立つための方法を具体的に伝授する。全米で160万部突破のベストセラー。

著 者:デヴィッド・リーバーマン 出版社:三笠書房 発行日:2001年1月

2005年9月号掲載

なぜ、この人に部下は従うのか 「人を動かす」心理法則48

社会心理学者の著者が、ピグマリオン効果、ブーメラン効果といった「心理法則」を活用して、部下を思い通りに動かす方法を説く。部下のやる気を高めたい時、規律を守らない部下の勤務態度を改善したい時、失敗した部下を前向きにさせたい時、チームの士気を高めたい時…。様々なシチュエーションにおける「部下操縦法」が示された、実用的な1冊である。

著 者:渋谷昌三 出版社:東洋経済新報社 発行日:1999年6月

2003年1月号掲載

「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む 鈴木敏文の「統計心理学」

セブン‐イレブンの総帥、鈴木敏文会長の経営学の核心を解き明かす。「今は『多様化の時代』ではなく、『画一化の時代』だ」「現場主義には『本当のようなウソ』がある」など、氏の、独自の発想法と思考法が「55の金言」を中心にまとめられている。いずれもビジネスの最も根本的な部分に関わるもので、幅広く応用できる。

著 者:勝見 明 出版社:プレジデント社 発行日:2002年11月

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