2022.11.10

“地政学”で国際社会を理解する

“地政学”で国際社会を理解する
「地政学」は、国の地理的位置や歴史と、政治現象との関係を研究する学問です。
この地政学という言葉が資本市場や市場経済の分野で使われ始めたのは、21世紀に入ってから。最近は、ロシアによるウクライナ侵攻について、地政学の視点から言及した記事や書籍をよく目にします。ほかにも、北朝鮮による弾道ミサイル発射、中国と台湾の対立など、至るところで不安要素が拡大する中、地政学を学ぶことの重要性はこれまで以上に増しているのではないでしょうか。
そこで今回は、地政学を理解するのに役立つ5冊をご紹介します。世界秩序が揺らいでいる今日、マクロな視点を身につけ、国際社会が直面する問題を考える上で参考になる書籍ばかりです。

2020年2月号掲載

国際社会を支配する地政学の思考法 歴史・情報・大衆を操作すれば他国を思い通りにできる

地政学は、国の地理的位置や歴史と、政治現象との関係を研究する学問だ。だがグローバル時代の今日、「地球全体」を視野に入れる必要がある。そんな現代の地政学、そして“地政学的戦略”を説いた書。歴史上の出来事や最新の世界情勢を引きつつ、権力者が用いる様々な戦略を語る。著者は、元欧州合同軍防諜・治安部隊長官。

著 者:ペドロ・バーニョス 出版社:講談社 発行日:2019年12月

2018年8月号掲載

対立の世紀 グローバリズムの破綻

近年、欧米先進国では、グローバリズムを掲げ、その恩恵をこうむるエリート層に対して、国民が不満を募らせている。また、移民の増加に伴うナショナリストの台頭、欧州生まれのイスラム教徒によるテロ攻撃など、様々な「対立」が生じている。果たして世界は、これらの問題を克服できるのか。地政学の第一人者が読み解く。

著 者:イアン・ブレマー 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2018年6月

2022年7月号掲載

The World[ザ・ワールド] 世界のしくみ

米国の地位の低下、中国の台頭、ロシアの世界秩序への挑戦…。今日、世界が直面する問題に、どう向き合うか? 世界の歴史、世界秩序を左右する要因をはじめ、多様な視点から答えを探る。解説するのは、世界屈指の民間外交シンクタンクのトップ。現下の“ウクライナ危機”以前に、ロシアの野心を見透かすなど、その眼力は鋭い。

著 者:リチャード・ハース 出版社:日経BP・日本経済新聞出版 発行日:2021年10月

2018年10月号掲載

新世界秩序 21世紀の“帝国の攻防”と“世界統治”

19世紀は英国が、20世紀は米国が世界を支配した。では、21世紀は? 経済学者・思想家のジャック・アタリ ――“ヨーロッパを代表する知性”が「21世紀の新世界秩序」を提示。彼の見立てによれば、世界は無秩序とカオスに陥る。そんな未来における切り札は“結束”だ。世界が結束すれば、持続的な成長は可能だという。

著 者:ジャック・アタリ 出版社:作品社 発行日:2018年7月

2022年7月号掲載

戦場としての世界 自由世界を守るための闘い

著者は、米陸軍に長年在籍し、トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めた戦略家。2020年に著した本書では、自らの経験、見識を基に“戦場としての世界”を語り、警鐘を鳴らす。冷戦後、アメリカは外交・安全保障政策で失敗を重ねた。その隙にロシアや中国、イラン等が台頭、自由世界が脅かされているという。

著 者:H・R・マクマスター 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2021年8月

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