シルバーウィーク(9月19日~23日までの5連休)が近づいてきました。
せっかくの連休、「どこかへ出かけよう」「普段できないことをしよう」と予定を立てている人も多いのではないでしょうか。
しかし、予定を詰め込み過ぎると、本当に心を休めることはできないかもしれません。家で過ごすにしても、SNSを絶え間なく眺めていては同じことでしょう。
そこでこの連休は、あえて「静かになる時間」をつくってみてはいかがでしょうか。
今週は、静かな時間の重要性や、静寂を見つけるための33の方法を紹介した本、『静寂の技法 最良の人生を導く「静けさ」の力』(ジャスティン・ゾルン、リー・マルツ 著/東洋経済新報社 刊)をPick Upします。
本書で紹介している「静寂の見つけ方」については後ほどいくつか取り上げますが、どれも決して難しいものではありません。長い休みだからこそ、いくつか試してみて、ご自身に合った方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
なぜ私たちは「静か」になれないのか
静寂を見つける方法を紹介する前に、まず、なぜ私たちは静かな時間を持つことが難しいのかについて考えてみましょう。
瞑想講師として活躍するゾルン氏らによれば、その背景には、私たちの周りに精神的な刺激がかつてないほどあふれていることがあります。
街の騒音や人の話し声といった「聴覚騒音」。絶えず流れ込んでくるニュースやSNSなどの「情報騒音」。さらに厄介なのが、頭の中で繰り返される不安や心配事といった「内部騒音」です。内部騒音が私たちに及ぼす影響を、著者らは次のように解説します。
電子メールやショートメッセージ、インスタントメッセージ、ソーシャルメディアの通知が届く頻度が増すと、「常時オンであること」、すなわち、いつでも読んで反応して返信できる状態でいることが、しだいに当然と思われるようになってくる。この「騒音」が、私たちの意識を奪う。手つかずの注意力を植民地化する。目の前のことに集中したり、自分の心の衝動をうまく処理したり(中略)するのを難しくする。
(『静寂の技法』24ページ)
仕事でもプライベートでも常に情報と接する現代のビジネスパーソンにとって、こうした騒音から逃れることは簡単ではありません。休日であっても仕事のことが頭から離れなかったり、SNSで他人の充実した様子を見て「自分も有意義に過ごさなければ」と焦ったりした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
せっかくのシルバーウィークも、聴覚騒音や情報騒音、そして頭の中の内部騒音に囲まれていては、心から休むことはできないかもしれません。
では、こうした騒音から距離を置き、心の平穏を取り戻すにはどうすればいいのでしょうか?
静寂の見つけ方
真っ先に思いつくのは、静かな場所に行くことかもしれません。しかし本書が紹介する「静寂の見つけ方」は、それだけではありません。
例えば、その1つが「呼吸に注意を払う」というものです。
1日を通じて、思い出せるときにはいつでも、3回呼吸する。(中略)その3回の呼吸をするときに、細心の注意を払う。その呼吸を、自分の体と心のどこに騒音があるかを感じ取るための「診断」に使うことができる。
(『静寂の技法』415ページ)
また、この本では「無言の1日を送る」という方法も紹介されています。
1 日しゃべらずにいるようにしてみよう。(中略)もし、仕事や育児や高齢者の介護のために、無言の1日を過ごすのが不可能なら、ほんの数時間でも、沈黙に回そう。
(『静寂の技法』420ページ)
著者らによれば、無言の1日を送るのは、自分自身を点検するためです。自分の思考と行動が一致しているか、自分の内面がどれほど静かな状態にあるのかを確かめる。そうすることで、本当に大切なものに気づくことができると述べています。
こうした本書の考え方を踏まえると、無言で過ごす時間は、単に「話さない」ための時間ではないことがわかります。普段は意識することのない自分の内面に目を向け、日々の生活や人との関わり方を見つめ直す時間でもあるのです。
この連休に「何もしない」時間をつくろう
『静寂の技法』には、こうした小さな実践を含め、静寂を取り戻すための方法がわかりやすく紹介されています。本書の内容をさらに詳しく知りたい方は、『静寂の技法』の原本あるいはTOPPOINTライブラリーに収録されている要約をご覧ください。
連休だからといって、すべての時間を予定で埋める必要はありません。スマートフォンを置いて散歩をする。静かな場所で本を読む。あえて何もせず、ぼんやりと過ごす。このシルバーウィークには、そんな「何もしない」時間を意識的につくってみてはいかがでしょうか。
(編集部・油屋)
* * *
「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。
このPick Up本を読んだ方は、
他にこんな記事にも興味を持たれています。
-
悪化する日中関係 中国が台湾問題にこだわる理由を明かす カギは「2027年」
-
誤情報・偽情報に惑わされないために “クリシン原則”で思考の基礎を学ぶ
-
2026年がスタート! 変化の時代だからこそ読み返したい ビジネス書の名著