旧暦の大晦日である「節分」
明日、2月3日は「節分」です。
「鬼は外、福は内」という掛け声とともに豆をまき、1年の無病息災を願う行事として親しまれていますが、節分が本来意味するのは「季節の分かれ目」。立春、立夏、立秋、立冬の前日を指す言葉でした。江戸時代以降、特に立春の前日を指すようになったといいます。
TOPPOINT編集部のある京都では、寺社ごとに様々な節分の行事が行われます。中でも私が楽しみにしているのが、京都大学近くにある吉田神社の節分祭の名物「年越しそば」です。なぜ、節分に年越しそば? と思われるかもしれません。これは、旧暦では立春が新年にあたるため、その前日の節分が大晦日だったことに由来するそうです。
年末年始は帰省や挨拶回りで慌ただしく過ぎ、気づけば新年の実感もないまま日常に戻っていることが少なくありません。だからこそ、日常が落ち着きを取り戻す2月に、年越しそばをいただく時間が、心の切り替えになります。底冷えする空気の中で味わう、あたたかでだしのきいた一杯は、「ようやく新しい1年が始まった」ことを静かに実感させてくれます。
今年の目標は「小さいことに、くよくよしない」
そんな節分を区切りとして、今年の目標を1つ立てました。
それは、「小さいことに、くよくよしない」こと。
仕事でのちょっとしたミス、会話の行き違い、人の反応が気になって眠れなくなる夜。振り返れば取るに足らない出来事でも、その瞬間には心を占領されてしまいます。そんな時に、「くよくよしない」知恵を授けてくれるのが、今週Pick Upする1冊『新版 小さいことにくよくよするな!』(リチャード・カールソン 著/サンマーク出版 刊)です。
心理学者のカールソン氏による1997年刊行の名著で、全米800万部、日本で230万部、世界で2600万部を超えるベストセラーとなりました。「TOPPOINTライブラリー」のコンテンツの1つ、オールタイムベスト10の「自己啓発」ジャンルに選ばれており、すでに読まれた方も多いかもしれません。
「すべては小さいことだ」という視点
ちょっとした問題や細かい心配事を“一大事”と思い、ますます泥沼にはまり込む…。そんな私たちに、カールソン氏は、穏やかで優雅に生きるためのルールを説きます。
それは驚くほどシンプルです。
- 1、小さいことにくよくよするな。
- 2、すべては小さいことだ。
(『新版 小さいことにくよくよするな!』 8ページ)
例えば、渋滞の道路でほかの車に割り込まれる、身に覚えのないことで非難される…。日常には、感情を乱す出来事がひんぱんに起こります。
そうした「小さいこと」に心を奪われ続けると、本来味わえるはずの人生の楽しみが、視界から消えてしまう。だからこそ、くよくよしないための“コツ”を身につけることが重要だと、カールソン氏は説きます。
その具体的な方法の1つが、「タイムワープ」という思考ゲームです。
いまの状況がなんであれ、それがいま起きているのではなく1年後に起きるのを想像するだけでいい。次に「これはそんなに重要な問題なのか」と自分に聞いてみる。本当に重要なことも万に一つはあるだろう――だが、ほとんどはたいしたことではないのだ。
(『新版 小さいことにくよくよするな!』 59ページ)
これは、自分が今かかえている問題は重要だ、という間違った思い込みをほぐすためのゲームだといいます。
配偶者や子どもとのもめごと、仕事上の失敗、失ったチャンス。どんな問題も、時間を未来へずらしてみると、多くは驚くほど小さく見えてきます。目の前の出来事を客観視することは、感情を鎮め、前向きな思考を取り戻すための第一歩なのです。
SNS時代に、味方になってくれる古くて新しい本
『新版 小さいことにくよくよするな!』には、このほか「いま、この瞬間を生きる」「モア・イズ・ベターという考え方を捨てる」「今日が人生最後の日だと思って暮らそう」といった、“くよくよしない”ための知恵が全部で100個紹介されています。詳しくは、ぜひTOPPOINTライブラリーの要約をご覧ください。
1つ1つの知恵は、短く、わかりやすい言葉で語られているので、忙しいビジネスパーソンでも隙間時間に読むことができます。気になる見出しがあれば、どこから読んでもいいですし、1日1項目ずつ読むのもおすすめです。
SNSで誰かの暮らしや成功が常に目に入る時代。知らず知らずのうちに誰かと自分を比べてしまい、くよくよする機会も増えているのではないでしょうか。
この本の巻末にある「新版のための覚え書き」において、邦訳版初代担当編集者である青木由美子氏は、次のように語ります。
ひとり暮らしの人が誰にも会わずに家にこもっていたとしても、常に“誰かの様子”が見えてしまう。これは孤独をなくす良いことでもあるけれど、心のパーソナルスペースが激減して、息苦しくなってくる人だっているはずだ。
そんな時、この古くて新しい本は、たぶん、味方になってくれる。(『新版 小さいことにくよくよするな!』 300ページ)
私自身、くよくよした自分に気づいた時、この本の言葉を思い出して、心を静めるようにしています。リビングに1冊、ベッドの横に1冊、トイレに1冊。必要な時に、すぐ手に取れるようにしておきたい本です。
まだまだ寒い日が続きますが、2月4日からは暦の上では春。
様々なことが動きだす季節へ向けて、心の穏やかさを取り戻す1冊として、お読みいただければ幸いです。
(編集部・福尾)
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「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。
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