2024.9.9

編集部:油屋

運が「良い人」「悪い人」その違いはどこにある? 米国人ジャーナリストが運が良くなる方法を明かす

運が「良い人」「悪い人」その違いはどこにある? 米国人ジャーナリストが運が良くなる方法を明かす

 台風が来たらスポーツくじが売れる ―― 。

 そんな少し不思議な出来事が、今年の8月末に起こりました。

 

 きっかけは、台風10号です。各地で大雨が続き、交通機関で運行取り止めが相次いだ他、週末(8月31日・9月1日)に開催予定だったイベントの中止が決まるなど、広い範囲で影響がでました。サッカーJ1リーグでは、31日に開催予定だった12試合のうち、4試合が中止となりました。
 

 試合の中止を受けて注目を集めたのが、スポーツくじ「MEGA BIG(メガビッグ)」です。MEGA BIGは指定されたJリーグ12試合の、各試合の両チームの合計得点数を予想(コンピュータがランダムで選択)するくじで、当選金額は最高12億円となっています。

 今回のMEGA BIG(第1476回)では、台風の影響で中止となった試合を除く8試合の結果のみで当選が決まることになったため、1等の当選確率が大幅に上昇(通常:約1680万分の1→今回:約6万5536分の1)。しかも、前回までのキャリーオーバー(繰越金)が約58.3億円あったことから、高額当選を夢見て、多くの人々が購入に殺到しました。

 この結果、第1476回のMEGA BIGの売上は、過去最高の47.1億円を記録したとのことです(「スポーツくじ「MEGA BIG」1等の当せん確率が跳ね上がり、売上が爆増」/ASCII 2024年9月2日)。1等に当選した数は、なんと269口。当選口数が多かったことから、配当金は12億円ではなく約2480万円でした。

 

 MEGA BIGのような宝くじを購入する時に思うことの1つは、きっと「運が良くなりたい」ということでしょう。それは宝くじを購入する時に限らず、仕事で壁にぶつかっている時などにも思うことかもしれません。運が良ければ当選できる、あるいは、運が良ければ仕事や私生活もうまくいくはず ―― 。そのためにも「運」を味方につけたい、と願ったことがある人は少なくないはずです。

 ですが果たして、運を味方につけることなどできるのでしょうか?

 

 そのことについて調査したジャーナリストがいます。今回は、1000人以上の人生を観察して突き止めた、「運との付き合い方」「運を向上させる方法」を説いた本、『運とつきあう 幸せとお金を呼び込む13の方法』(マックス・ギュンター 著/日経BP社 刊)をご紹介します。

「運」と「計画」を区別する

 マックス・ギュンター氏は米国のジャーナリストで、投資のベストセラー『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』(日経BP社 刊)などを著した作家でもあります。そんな氏が『運とつきあう』の中で、運の良い人が実践する「13の方法」をまとめています。

 

 その方法の1つが、「“運”と“計画”を区別する」というものです。これについて、氏は次のように説明します。

 

勝者になりたければ、運が自分の人生にどのような役割を果たしたかを注意深く見きわめるのだ。運よく思いどおりの結果になったときには素直にその事実を認めることだ。決して自分がうまくやったから成功したなどと勘違いしてはいけない。「運」と「計画」を取り違えたら、せっかくの幸運が不運に変わってしまう。

(『運とつきあう』22ページ)

 

 例えば、ギャンブルや投資などには「必勝法」と呼ばれるものがごまんとあります。その1つを信じて実践し、うまくいったとしましょう。最初は「運がよかったからだ」と思っても、何度も上手くいくと、「このやり方は絶対正しい」と確信するようになります。そして、次々と大金を賭けるようになり、ついにはすべてを失ってしまう ―― 。

 こうしたことが往々にしてあります。これは「運」と「計画」を取り違えた結果です。ただ運が良かっただけなのに、「自分の作戦が正しかったからだ」と勘違いしてしまうと、間違いに気づかず同じやり方を繰り返し、やがて幸運は去ってしまいます。

 

 運のいい人は、こうした事態に陥ることを未然に防ぎます。ギュンター氏は、自分の戦略を過信しないよう、自分にこう言い聞かせることを勧めています。

 

「これから踏み込もうとしているのはリスクだらけの世界だ。作戦どおりにうまくいくなんていう幻想に惑わされてはいけない。運に勝てるわけはないのだから。(中略)無謀な勝負に出て取り返しのつかないダメージを食らったらアウトだ。流れが悪くなったらすぐに逃げ出せるようにしておくのだ」

(『運とつきあう』34ページ)

「スプーン一杯」のリスクをとる

 ギュンター氏が説く13の方法の中で、私個人が気に入っているものの1つが「スプーン一杯のリスクをとる」というものです。

 氏によれば、幸運に巡り合った人は、必ず人生のどこかの時点で「自ら進んで」リスクをとろうとしているといいます。そうでなければ、「何か面白いこと」が都合よく起こったりはしないからです。ただ、そのリスクは決して大きいものではなく、「スプーン一杯」ほどの小さなものでいいと言います。

 

人生の敗者になりたければ間違いのない方法が2つある。1つは無謀なリスクを負うこと、もう1つはリスクをまったく負わないことである。
運の良い人はこんな2つの状況を上手に避けている。慎重にリスクを見きわめ、ほどほどにリスクをとる技術を身につけているのだ。

(『運とつきあう』61ページ)

 

 リスクを見極めるために、ギュンター氏は「リスクは常に報酬とのバランスを考えながら評価しなければならない」といいます。

 例えば、冒頭のMEGA BIGのような宝くじを2~3口買ってみる。転職サイトに登録だけしてみる。気になっている人に声をかけてみる。いずれも多くの人にとって、期待される報酬(高額の当選金や年収アップ、交友関係が広がる)に対して、リスクの低い行動です。このような、リスクに対して報酬の方が大きそうだと判断したものは、迷わずリスクを取ることが運に近づく上で重要だと述べています。

 

 日本人はリスクを回避する傾向が強いとよく言われます。いざ実行しようとすると重い腰が上がらない、という人は少なくないかもしれません。ただ、進んでリスクをとらなければ、幸運の女神が微笑んでくれることはありません。ギュンター氏の説くこの方法は、快適な今に留まろうとする惰性的な自分をいつも叱咤激励してくれています。

 上記のような、運を引き寄せるための行動の数々が、『運とつきあう』には詰まっています。「運を上げたい」と願う人にとって、きっと参考になる点が多いかと思います。

 また、本書の監訳者・林康史氏が「監訳者あとがき」で述べているように、ギュンター氏が投機の知恵を記した名著、『マネーの公理』の内容は、本書の「金融・投資」編ともいうべきものです。あわせて読むことで、リスクとの向き合い方、投資をする際の心構えなどをより深く学ぶことができるでしょう。

(編集部・油屋)

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 「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。

2012年7月号掲載

運とつきあう 幸せとお金を呼び込む13の方法

運・不運の違いはどこにあるのか? 運の良い人は何を知っていて、何をするのか? 米国人ジャーナリストが、1000人以上の人生を観察して突き止めた、運の良い人が実践する「13の方法」を提示する。運は自在には操れない。だが、「引き際をわきまえる」「『最悪』を想定する」等々、本書で示される教訓に従えば、人生の勝者となる確率を高めることは可能だ!

著 者:マックス・ギュンター、林 康史(監訳) 出版社:日経BP社 発行日:2012年4月
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