先日、日本出版販売が発表した2025年上半期のベストセラー。総合1位は、絵本『大ピンチずかん3』(鈴木のりたけ 著/小学館 刊)でした。
日常で誰もが経験する“様々なピンチ”をユーモラスに描いた本書は、子どもだけでなく大人の心もつかんでいます。私も大好きな絵本です。「ケチャップが飛ぶ」「名前が思い出せない」…、そんな場面を通じて、自分の失敗や感情を受け入れるヒントをくれるこのシリーズは、累計発行部数250万部を超える人気作となっています。
私たちが、これほどまでに「ピンチ」に惹かれる背景には、日々の暮らしの中で避けられない困難 ―― つまり逆境にどう向き合うかを知りたいという本能的な欲求があるのではないでしょうか。
今回は、そうした逆境への向き合い方を、明治・大正期に活躍した思想家・新渡戸稲造から学べる1冊『逆境を越えてゆく者へ 爪先立ちで明日を考える』(新渡戸稲造 著/実業之日本社 編/実業之日本社 刊)をご紹介します。新渡戸の名著『修養』『自警』の中から、逆境の本質とその乗り越え方を選りすぐった書です。
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