2026年8月号掲載
じつは残酷な「ほめ育て社会」
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年5月7日
- 定価990円
- ページ数205ページ
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著者紹介
概要
今の日本は、ほめて育てることを是とする社会である。学校でも職場でも厳しく叱られることはなく、絶えずほめられる。だが、それは一見やさしいようで、実は非情な世界だ。きちんと鍛えてもらえず、逆境に直面すると心が折れてしまう。そんな「ほめ育て社会」に警鐘を鳴らし、ままならない人生を生き抜く力のつけ方を説く。
要約
「ほめること」の心地よさ
学校でも家でも職場でも、叱られず、絶えずほめてもらえる。いつしかそんな社会になってきた。
厳しいノルマを課せられ、ちょっとしたことで厳しく叱られた自分たちと違い、今の若い人たちは幸せだ。そう思う年配者もいるかもしれない。
だが、そのような「ほめ育て社会」を生きるのは、本当に幸せなことなのだろうか ―― 。
世の中に氾濫するほめ言葉
いつの頃からか、ほめ言葉が世の中に氾濫するようになった。厳しい言葉は滅多に聞かれず、ミスをして迷惑をかけても叱られることはない。
学生に尋ねると、中学でも高校でも先生はよくほめてくれたし、宿題を忘れても授業中に寝ていても叱られることはなかったという。就職している若手社員たちは、上司も先輩もやさしくてよくほめてくれるから気持ちよく仕事ができるという。
子育てでも、ほめて育てるというのが大人気だ。子どものためを思ってちょっと厳しいことを言うと、ママ友から「虐待してると疑われるから、気をつけた方がいいよ」と忠告されたりする。
近視眼的な「ほめ育て」
では、「ほめ育て」は本当によいのだろうか。
ほめ育ては、育てる側も育てられる側も、どちらも幸せな気分にする。だから素晴らしい。そんな論調をしばしば耳にするが、これはあまりに近視眼的な考えではないのか。
確かに、ほめられれば子どもは嬉しくて笑顔になる。だが子育てというのは、もっと長いスパンで考える必要があるのではないか。例えば、将来社会に出てから笑顔になれるように、社会性をきちんと身につけさせる必要がある。ほめられるような成果を出せない時も、諦めずに頑張り続けられるように心を鍛えてあげる必要もある。
ほめてあげれば好かれる
さらに問題なのは、ほめてあげれば好かれるということでほめている人が多いことだ。子どもに嫌われたくないから叱らないという親。やさしい上司・先輩と思われたいから、何かにつけてほめるように心がけているという上司や先輩。
彼らは、本当にやさしいのだろうか。