日本はすでに侵略されている

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概要

1995年、中国の李鵬首相は言った。「日本という国は、40年後にはなくなってしまうかもしれない」。そして今、全国の離島、自然が残る観光地などを、中国人らが買いあさっている。対する日本は、何の対策もなし。わが国は、将来、彼らのリゾート地と化すのか? 外資による「静かなる侵略」の最新動向をレポートし、警鐘を鳴らす。

要約

静かなる侵略

 2018年、『SILENT INVASION(静かなる侵略)』という本が話題になった。オーストラリアの大学教授が著したこの本には、中国からの移民や経済進出により、自国の政治や安全保障などが知らぬ間に侵されていく現実が描かれている。

 しかし、その意図に気づいたオーストラリアは、最近になって抵抗を始めた。外資による農地取得のハードルを上げ、重要インフラ保安法を成立させ、外国影響力透明化スキーム法案に着手するなど、中国による影響力の排除に乗り出している。

 一方、日本はというと、中国による「静かなる侵略」はオーストラリアよりも進んでいる。

 1995年、中国の李鵬首相は、オーストラリアのキーティング首相にこう語ったという。

 「日本という国は、40年後(2035年)にはなくなってしまうかもしれない」

 視察に訪れた自民党の調査団はキーティング首相からこの話を直接聞かされ、国会でも取り上げられた。しかし、それ以降も、国家として何ら対応策を講じておらず、国会での審議さえない。

 現在、北海道から南は宮古島まで、多くの国土が外国人に買われている。都心のビルばかりか、自衛隊基地や米軍基地のそばなど、安全保障上、重要な国土も買収されている。だが、憲法29条が定める個人の財産権として何ら問題視されず、対策を講じようとする議員や官僚もいない ―― 。

グローバル化という金科玉条

 アメリカやEUなど西側先進諸国は、外資による国土買収などへの対応を徐々に変えてきている。しかし日本だけは別で、官邸主導のFTZ(自由貿易試験区)、IR実施法(カジノ法)、移民法など、分野を問わず規制緩和のオンパレードだ。

 規制緩和によるグローバル開放路線、インバウンド重視と訪日客の増加 ―― その流れの中で、国交省は2017年、外国人向けの手引書を作成した。「不動産事業者のための国際対応実務マニュアル」がそれで、一部のメディアで「売国マニュアル」と呼ばれている。

 筆者は国交省に出向いて、疑問を投げかけた。「大都市不動産の国際化はわかりますが、国境離島や防衛施設周辺の国土が買われるのはまずいのでは。このマニュアルを作る際、安全保障や国境保全は省内で議論にならなかったのですか?」

 答えは、まさしく官僚答弁だった。

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