2026年2月号掲載

資本主義はなぜ限界なのか ――脱成長の経済学

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著者紹介

概要

鈍化する成長、繰り返される経済危機、拡大する格差…。これまで成長を続けてきた資本主義は、「限界」に直面している。今後、世界はどのような方向を目指すべきか? その答えを、マルクス経済学の理論をもとに探った書。際限なき利潤追求から脱し、搾取なき社会を実現する ―― 「脱成長」の思想と、経済の未来像を示す。

要約

資本主義の限界

 経済成長は、広く世間で受け入れられる、社会の目標だ。第二次世界大戦からの復興期にも、現在でも、経済成長は同じように称揚されている。

 しかし、それとは裏腹に、経済成長の勢いは、かすんでいっているのが現実である。

危機に対し脆弱になる経済成長

 日本は長らく、低成長にあえいでいることが問題視されている。

 確かに、日本の成長率の低下傾向は著しい。一方、それでは他の先進国のパフォーマンスが良いかというと、必ずしもそうではない。高度成長期の日本がむしろ例外的で、それ以外の時期は、おおむねどの地域も、成長率は右肩下がりだ。

 特に不況期の落ち込みが大きい。ニクソンショックやオイルショックといった経済危機が重なった1970年代と、リーマン・ショックが発生した2000年代を比べると、70年代は3~4%台の成長率を維持していたのに対して、2000年代は、どの地域も0~1%台の成長率となっている。

「限界」に到達する資本主義

 だとすると、こうした危機時の落ち込みから回復するためにこそ、経済成長が必要にも思える。

 しかし、近年の経済成長は、私たちの社会を豊かにしているだろうか。

 かつては、経済成長の果実が企業だけでなく一般の人々にも還元された。しかし、近年では、成長率がプラスでも、経済格差は拡大している。

 経済成長が経済危機にもろく、しかもその経済成長そのものも多くの人々にとって望ましい豊かさを提供できていないのだとすると、経済成長を希求することそのものを再考すべき時がきているように思われる。成長を続けてきた資本主義は、「限界」に到達しつつあるのだ。

 

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