2026年1月号掲載

マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識

Original Title :THE FIRST-TIME MANAGER (2021年刊)

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著者紹介

概要

40年以上読み継がれてきた、マネジャーの“教科書”の最新版だ。情報共有を徹底する、肩書きを賢く活用する、自分の代役を育てる、等々。マネジャーが身につけるべきスキルや心構え、組織作りのヒントが示される。そのアドバイスは実践的で、新任マネジャーからベテランまで、部下を持つ全ての人にとって指針となるだろう。

要約

マネジャーに必要な能力

 マネジメントという、難しくも楽しい仕事の世界へようこそ。できるマネジャーになるには、人という非常に複雑なものの集まった組織を理解し、導くことが必要だ。マネジメントは科学というよりむしろアートの要素が強いもので、うまくできればこれほど達成感のある仕事はない。

「何でも自分でできる人」がダメな理由

 マネジャーには「人を動かす力」が求められる。自分1人でうまく仕事を回すより、他の人を頼って仕事をしてもらうことが重要になる。

 何でも自分でやった方が仕事はうまくいく、と考えるタイプの人がいるが、こういう姿勢ではマネジャーとしてはうまくいかない。この手の人は、周りから「誰でもできるつまらない業務しか割り振ってくれない」と思われている。

 こうした管理職の下では従業員の離職も起こりがちだ。「何でも自分でできる人」が思っている以上に部下には能力があるもので、つまらない仕事ばかりやらされると嫌になってしまう。

 「部下に小さい仕事しか割り振れていないな」と気づいたら、マネジメントのやり方を見直そう。

まずは慌てない

 マネジャー着任に際しては、「運用に関わる変更はすぐにやらない」と決めておこう。たいていの人にとって変化は脅威であり、意識的にでも無意識にでも抗ってしまうものだ。急激な変化は恐怖を呼び起こすため、結果としてうまく進まず、成果を達成しづらい。まずは慌てないことだ。

 着任直後に限らず、何かを変える必要がある際には、その内容と理由について、部下に丁寧に説明しよう。できるだけ情報を共有しておいた方が、変化への抵抗をチームとして克服しやすい。

 ここで重要な指摘をしておこう。管理職の多くは、上長とのコミュニケーションはうまくやれるが、直属の部下とはうまくいかない。だが、自分の将来に影響が大きいのは上司よりも直属の部下の方だ。あなたの人事評価は部署の業績で決まるのだから、直属の部下を軽視してはならない。

ちゃんと褒めよう

 良い仕事を褒めて評価する際は次の2ステップで行おう。まず、賞賛に値する行動、態度、業績を具体的に伝える。例えば「製品カタログの表紙のデザイン、とてもいい仕上がりでしたね」というように。その上で、なぜその仕事が評価に値するのかを話す。「新しいデザインのおかげで確実に売上が伸びそうです」などと伝えるわけだ。

正しく叱る

 マネジャーは、担当部署の業務状況を常に把握しておく必要がある。もし部下の業務レベルが低い場合は、すぐ対処し、叱らなければならない。

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