2025年12月号掲載

新・空き家問題 ――2030年に向けての大変化

最新号掲載 新・空き家問題 ――2030年に向けての大変化 ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

現在、首都圏にある新築マンションの平均価格は8000万円超。庶民からは「高くて買えない」と悲鳴が上がる。しかし2030年以降、家が買いやすくなる!? 業界の第一人者が、住宅を巡る大変化を読み解いた。今後、増えてゆく空き家、高齢居住者の死去に伴う大量相続の問題について述べ、国の住宅政策の転換の必要性を訴える。

要約

激増する首都圏の空き家

 2024年4月、総務省が5年に一度行う住宅・土地統計調査(2023年)の結果を発表した。

 今回の発表で、全国の空き家数は900万1600戸に達していることがわかった。前回調査(2018年)比で51万戸、6.0%の増加だ。

 住宅総数が6504万6700戸なので住宅総数に占める空き家の割合は13.8%、日本中の家の7軒に1軒が空き家になっている。

空き家の内訳

 では、900万戸の空き家の内訳は、どのようになっているのか。

 賃貸用空き家数は約444万戸。全体の49.3%、約半数が賃貸アパートやマンションの空き住戸だ。

 一方、個人住宅空き家数は約386万戸(全体の42.8%)。前回調査から37万戸、10.6%の高い伸びを記録した。賃貸用空き家は、募集を行えば空きが解消する可能性がある。ところが個人住宅空き家は、所有者自ら居住せず、貸すことも売ることもしていない、言わば放置状態にある。

空き家はどこに多いのか

 空き家はどの地域に多いのか。ワースト5は、徳島県、和歌山県、鹿児島県、山梨県、高知県。いずれも空き家率は20%を超えている。

 ここから、空き家問題は地方の問題だと考えがちだが、実態は全く異なる。東京都の空き家率は10.9%と全国で4番目に少ないが、都内には数多くの住宅がある。実数でカウントすれば89万6500戸と、全国でダントツなのだ。

個人住宅空き家激増の背景

 個人住宅空き家は、近年なぜ多くなったのか。

 国土交通省の調査によれば、空き家を所有することになった理由の約55%が相続による取得だ。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

良心をもたない人たちへの対処法

マーサ・スタウト 草思社

日本はすでに侵略されている

平野秀樹 新潮社(新潮新書)

人新世の「資本論」

斎藤幸平 集英社(集英社新書)

沈黙の春

レイチェル・カーソン 新潮社(新潮文庫)