2025年7月号掲載
感情戦略
Original Title :THE MOUNTAIN IS YOU (2020年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2023年1月10日
- 定価1,760円
- ページ数271ページ
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著者紹介
概要
人生を最高のものにするには、感情について学ぶことが大切! 頭では「これをすべき、やめるべき」と思っているが、できない。ありがちな、こうした行いを「自己破壊的行為」と著者は呼び、原因は“感情”だと言う。意志の弱さではない。本書では、私たちを操る様々な感情を示し、自己破壊的行為を克服するための手立てを説く。
要約
どうしてもそびえたつ問題は、あなたが原因
自分のためにならないことを、なぜかしてしまう。やらなければならないことを、つい先延ばしにしたり、見ないようにしたりする ―― 。
そういう行為を、「自己破壊的行為」という。これは、意志の弱さの結果のように思える。だが、実際の理由は、全く別のところにある。あなたに、無意識下の「思い」があるからできないのだ。
自己破壊的行為をしてしまうなら、無意識に何かある
精神科医のカール・ユングは子どもの頃、ある日、学校で転んで頭を地面に打ちつけてしまった。怪我をした彼は心の中で、こっそりこう呟いた。
「やった、これで学校に行かなくて済むかも」
ユングは、子ども時代は学校が嫌いで、同級生にもうまく溶け込めなかった。この出来事から間もなく、彼は失神の発作を時折起こすようになる。
失神の発作は、居心地が悪い授業に出たくない、という無意識の欲求の現れだと、ユングは考えるようになった。
同様に、多くの人にとって恐怖と執着は、自分でもどう対処していいかわからない深い問題が、症状として現れたに過ぎないことが多い。
自己破壊的行為はただの反射的な機能
自己破壊的行為は、心の奥底に秘めた願いを満たしたいのに、意識がそれを拒否する時に起きる。拒否するのはたいてい、「自分には無理だ」と思っているのが原因である。
よくあるのは、人間関係を妨害することである。それは、本当は心が自分自身を深く知りたいと思っているのに、1人になるのが怖いというだけで、誰かと付き合っているからだ。
自己破壊的行為とは多くの場合、うまく機能していない「対処メカニズム」である。これは、体が反射的に、目の前にある嫌な感情を回避するためにやってしまうことだ。深い考えはない。
自己破壊的行為とは、体が何も考えずに済むようなラクな対処法の1つに過ぎない。実際に問題を解決してくれるわけではない。単に自分の欲求を麻痺させて、一時的な安堵感を味わうだけだ。