2025年1月号掲載
「バカ」の研究
Original Title :PSYCHOLOGIE DE LA CONNERIE (2018年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2020年7月15日
- 定価1,760円
- ページ数330ページ
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概要
社会で、ネットで、「バカ」な人が増えている。約束を守らない、周囲の意見に耳を貸さない、他者の尊厳を傷つける…。人は、なぜバカなことをするのか? 24人の一流科学者、名門大学教授らが「バカ」を徹底解析する。認知心理学や情報科学など、様々な角度からバカげた行動の原因を解き明かした、フランスのベストセラー。
要約
「良識は、この世で最も平等に分け与えられているものだ」と、哲学者のデカルトは言った。
しかし、私たちは皆、毎日ほぼ例外なく、バカなことを見たり、聞いたりしている。
バカは約束を守らない。暗黙の了解を裏切り、誓いを破り、人情に背く。虚栄心や高飛車な態度が目立つ。なぜか? どんな人がバカなのか?
一流の科学者や専門家の考察によると ――
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バカについての科学研究
セルジュ・シコッティ(心理学者)
心理学において、「バカ」という研究対象が存在するわけではない。むしろ、「人間はどうして時折バカみたいな言動を行ってしまうのか」という疑問が研究テーマとされる。
何でも信じたがるバカ
信念に関する研究によると、私たちは「この世界は公正だ」という信念を抱きがちだという(公正世界信念)。「すべての正義は報われ、すべての罪は罰せられる」という考え方だ。
これは世界で最も支持されている信念の1つであり、特にバカによって熱狂的に信じられている。
「ねえ、あの子、強姦されたんだって? でもまあ、あんな服装してたらねえ…」
バカにとってみれば、被害者は天罰を受けたことになる。さらに、貧しささえも天罰とみなし、「あのくそ貧乏人めが」と言ってバカにする。