2024年5月号掲載

仕事と人間 70万年のグローバル労働史[上][下]

Original Title :THE STORY OF WORK (2021年刊)

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著者紹介

概要

70万年前の誕生以来、人間は常に何らかの仕事をしてきた。この長きにわたる労働の歴史を繙きつつ、全世界の「人間と仕事のかかわり」、そして未来の働き方を示した大著である。オランダの社会経済史家である著者は言う。時代が変わっても、仕事の原則は変わらない。人は「意義、協力、公正」を労働の中に求めるだろう、と。

要約

仕事の歴史

 今日、地球に暮らすほとんどの人が、起きている時間の半分以上を費やして仕事をし、眠っている間に仕事の疲れを癒やしている。このように考えると、仕事の歴史は人間の歴史でもある。

19世紀以降、世界の労働関係が似通ったものに

 仕事の歴史をたどると、19~20世紀は労働関係に決定的な変化が起きた時代といえる。賃金労働が主軸となって広まっていき、世界の労働関係が互いに似通ったものに収斂したのだ。また、人々が個人としても集団としても、これまで以上に労働関係と労働環境を向上させようとした。

 この時代に、自営労働(家族経営の事業など)から賃金労働へと労働関係が変化したことには、多くの意味があった。それらは世帯の内のものだった仕事が外のものへと大転換し、それにより、仕事と労働関係を公的に規制する必要性が増したことに関係している。

労働関係における重要な3つの動き

 中でも、特に重要な動きが3つある。

  • ・仕事と余暇の意味が変容した。
  • ・賃金労働者を中心に、助け合いのための新しい組織が出現した。
  • ・労働に関する法と規制が絶えず修正された。

 これらの変化を促したのは、過去1世紀の間に重労働から機械化された軽労働へ、また知的労働へと移行したことである。自営労働と賃金労働から得られる収入は確実に増加し、それとともに余暇と消費機会が増大した。

 こうした変化はひとりでに生じたわけではない。様々な労働者、特に賃金労働者が個人として、あるいは組織の結成を通じて、この変化に寄与した。

 まず自営の職人が組織をつくり、続いて様々な労働者がストライキを含む集団行動を始めたことから労働運動が生まれ、労働組合が発達した。また、雇用契約と報酬、労働条件や社会保障の分野の法律が労働者の生活を決定づけるようになった。

 仕事に関連する事柄が立法化され、同時に民主化が着実に進んだことで、労働市場と労働関係に関する規則の決定に国が果たす役割が大きくなった。ここから様々な形の福祉国家が誕生した。

今後の展望

 仕事の歴史を振り返ることで、今後の仕事について何か学べることはあるのか。

 過去の重大な分岐点とその結果から、大筋で見分けられることはある。例えば、蒸気動力がもたらした機械化によって「大転換」が起こり、工業化が進んだ国ではそれに比例して農業の重要性が低下した。1970年頃からの「第二の大転換」では、製造業に代わってサービス業が優勢となり、同時に国家が市場への支配力をゆるめていった。

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