2024年1月号掲載

BCGが読む経営の論点2024

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概要

不連続な時代のリーダーは、潮流の変化をいち早く感じ取らねばならない ―― 。ボストン コンサルティング グループが、2024年の経営の成否を決める重要論点を示した。生成AIなどの「経営トレンド」や、事業開発力、値付けといった必須の「経営能力」。自社の競争優位を構築する上で外せない8つの論点について詳しく論じる。

要約

注目の経営トレンド

 企業リーダーの重要な役割の1つに、時代の流れを読み、自社が競争優位を築けるよう舵取りをしていくことがある。しかし、不連続で不確実な今の時代において、リーダーが未来を正確に「予測」することはもはや不可能だ。

 ただし、予測はできなくても、変化を「察知」することはできる。潮流の変化をいち早く感じ取り、事業機会を自社に引き寄せることは可能だ。

 では、今年、企業をめぐる環境変化の潮目を読み解く上で、重要となる経営の論点は何か?

生成AI ―― 日本の勝ち筋

 その1つは、生成AIだ。2022年、オープンAIが人間のように自然に文章を生成して対話する「ChatGPT」を公開した。それ以降、生成AIの開発が加速している。経営者は生成AIの進化を競争優位性構築の機会と捉え、ビジネスプロセスやビジネスモデルの変革に取り組まねばならない。

・先行企業はどう取り組んでいるのか

 当然ながら、生成AIさえ導入すれば生産性がすぐに上がるわけではない。

 例えば、マーケティング費用の最適化や需要予測など、数字を扱って計算する領域は、従来型の機械学習ベースのAIが得意とするところだ。一方、生成AIは文書の生成、自然言語によるコミュニケーションなど、表現やユーザーインターフェースにおいて利便性の向上をもたらす。従って、ユーザーインターフェースでは生成AIを使い、裏では別のAIを動かすというように、適材適所でどう用いるかを考えていく必要がある。

 すでに先行企業は、生成AIの効果的な適用機会を見いだし、変革を加速させている。

 例えば、オンラインで食品宅配事業を行う米国のインスタカートでは、顧客とのチャット機能に生成AIを導入している。顧客が「子どもの健康に良いご飯のメニューは?」などと質問すると、レシピや食材の提案が示される。気に入った提案を選ぶと商品が自動でカートに入り、購入から配送まで一気通貫のサービスが提供される。顧客が継続的に利用すればより多くのデータが蓄積され、潜在的なニーズを捉えた提案の余地が広がる。

・生成AIは人々の働き方を変える

 生成AIのインパクトとしてよく指摘されるのが、ホワイトカラーの業務が変わることだ。従来はレポート作成などに多くの時間を使っていたが、その部分が生成AIに置き換われば、人間の役割は目標設定や意思決定といった業務になる。

 だが、それだけでは企業にとって本質的なインパクトにはならない。それよりも重要なのは、生成AIと他の技術をいかに組み合わせるかだ。

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