2023年9月号掲載

教養を磨く 宇宙論、歴史観から、話術、人間力まで

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著者紹介

概要

「書物を通じて学んだ、様々な専門分野の、該博な知識」。従来、教養はこのように理解されてきた。だが、AI革命が世界を席巻している今、そうした教養の在り方に変化が生じている。これから求められる「新たな教養」とは何か、それをいかにして磨き、深めていけばよいのか。田坂広志氏が自身の経験などを交え、縦横に語る。

要約

21世紀に求められる「新たな教養」

 これまで、「教養」とは「書物を通じて学んだ、様々な専門分野の、該博な知識」と理解されてきた。そのため、従来の教養論は幅広いジャンルの読書や、様々な専門知識を学ぶことを勧めてきた。

 だが、現代においては、教養の前提条件に大きな「3つの変化」が起きている。

 第1に、該博な知識を持つことの価値が大きく低下している。なぜなら、人工知能(AI)革命の結果、ChatGPTなどの対話型AIに質問するだけで、わかりやすい説明が得られるからである。

 第2に、様々なメディアの発達と多様化によって、書物よりも映像や動画を通じて情報や知識を手に入れる人々が増えている。そして第3に、難しい本を読まずとも、テレビやYouTubeを通じて様々な専門分野の学びができるようになっている。

3つの深化

 この3つの変化が、これからの教養の在り方に、次の「3つの深化」を求めるようになる。

 第1の深化は、「専門の知」から「生態系の知」への深化である。AI革命の結果、人間の価値は、様々な専門知識を持っていることではなくなる。「1つのテーマ」「1つの問題」「1つの問い」を中心として、様々な知識と叡智が結びついた個性的な「知の生態系」を持っていることが、その人間の価値になっていく。

 第2の深化は、「言語の知」から「体験の知」への深化である。動画は、迫力ある「疑似体験」や「仮想体験」が得られるものである。そしてそれは、感覚的・身体的な次元での深い学びになる。

 第3の深化は、「理論の知」から「物語の知」への深化である。例えば、「人間学」を学びたいのであれば、書物で儒学の古典や宗教書を読むよりも、むしろ人間心理を生々しく描いた物語を読み、観ることこそが良い方法となる。なぜなら、具体的な生きたエピソードや物語を読み、観ることは、自分の人生や仕事、マネジメントを振り返ることができ、自身の体験と重ね合わせて、深く学べるからである。

教養を磨く

 この「新たな教養」の考えに基づき、様々なテーマについて見ていこう。

21世紀の文学の新たな役割

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