2023年3月号掲載

哲学100の基本

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著者紹介

概要

哲学は、新たな視点から世界を見るための“メガネ”だ ! 人は生きていく中で様々な疑問に直面する。人間とは何か、どうすれば幸福になれるか、社会をどう理解すべきか…。こうした問題を解くヒントを、哲学者たちは示してきた。本書は2500年におよぶ哲学の歴史をたどり、「知の巨人たち」の思考のエッセンスを解説する。

要約

哲学とはどんなものか

 哲学とは何か ―― 。この問いには、哲学者の数ほど異なる答えがあると言われる。そのため、一義的な定義は難しい。

哲学の根源性と思考の徹底性

 とはいえ、共通の特徴らしきものはある。

 その1つは、哲学の根源性である。哲学はしばしば、前提そのものを疑う活動だとされる。様々な学問、伝統的な考え、日常生活での常識など、普通は自明だと思われることに対して、あえて疑いを入れるのだ。当たり前だと見なされる前提を根本的に疑うことは、哲学の共通の特徴と言える。

 もう1つは、思考の徹底性である。自分のアイデアが出てくると、それに適した「概念(コンセプト)」が形成される。その後、すべてをその概念に従って徹底的に見ていこうとするのだ。

 通常はどこかで妥協してしまうが、哲学はむしろ、その見方を最後まで推し進めようとする。過去の哲学者の本を読む時、いや応なく気づかされるのは、この思考の徹底性に他ならない。

哲学は世界を見るメガネである

 哲学といえば、抽象的で小難しい概念をもてあそび、日常生活には役に立たない活動のように見えるかもしれない。一体、何のために、哲学は抽象的な「概念」を使うのか?

 それを理解するために、哲学において「概念」と語られているものを「思考のメガネ」と言いかえてみよう。哲学者は様々な「思考のメガネ」を創造してきた。プラトンの「イデア」、デカルトの「コギト」など、挙げればキリがない。哲学者たちは、「これをつけて世界を見れば、いままでとは違った風景が広がるよ」と誘ってきたのだ。

 哲学にとって必要なことは、「概念」によってどんな世界が見えてくるかにある。哲学のメガネ(概念)を使うと、いままでとは違った世界が現れてくる。その概念を使わなかったら、おそらく気づかなかったことだ。そのため、哲学の概念は慣れないと抽象的で難しく感じるが、意味がわかってくると具体的なイメージが広がるはずだ。

哲学が示す「思考のメガネ」

 哲学の基本的項目をいくつか挙げてみると ――

人間よ、汝自身を知れ!

 私たちは、自分のことは自分が一番よく知っている、と思っている。しかし、果たしてそうか?

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