2022年11月号掲載

経営12カ条 経営者として貫くべきこと

※『TOPPOINT』にお申し込み頂き「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

京セラ、KDDI、そしてJALと、経営の第一線を歩き続けた稲盛和夫氏。その氏が、経営者は何を思い、何を行うべきか、貫くべき経営の要諦を説いた。事業の目的・意義を明確にする、具体的な目標を立てる、強烈な願望を心に抱く…。2022年8月に逝去した氏の経営の集大成ともいうべき12の原理原則が、力強く明快に語られる。

要約

経営の原理原則

 「経営12カ条」 ―― 。

 これは、「どうすれば会社経営がうまくいくのか」という経営の原理原則を、私自身の経験をもとに、わかりやすくまとめたものである。

 経営というと、複雑な要素が絡み合う難しいものと考えがちだが、物事の本質に目を向けるなら、むしろ経営はシンプルなものであり、原理原則さえ会得できれば、誰もが舵取りできるものである。

事業の目的、意義を明確にする

 まずは、事業の「目的」「意義」を明確にすることが必要である。そして、目的や意義は、なるべく次元の高いものであるべきだ。言葉を換えると、公明正大な目的でなければならない。

 また、従業員に懸命に働いてもらおうと思うなら、そこには「大義名分」がなければならない。「この崇高な目的のために働くのだ」という大義名分がなければ、人は一生懸命にはなれない。

 私は京セラの創業3年目に、従業員の反乱に遭遇した。会社設立2年目に、10名ほどの新入社員を採用したのだが、その彼らが昇給などの待遇保証を求めてきたのである。私は採用面接の時に「一生懸命頑張って立派な企業にしたいと強く思っている。そういう企業に賭けて一緒に働いてみる気はないか」と話し、彼らはそれを承知の上で入社した。にもかかわらず、入社1年で「将来を保証してもらわなければ…」と言ってきたのだ。

 「私は、入社した皆さんが心からよかったと思う企業にしたい。それが嘘か真か、騙されたつもりでついてきてみたらどうだ。もし私が私利私欲のために働くようなことがあったならば、私を殺してもいい」。3日3晩かけて、とことん話した。ようやく私の言葉を信じてくれた彼らは、要求を撤回し、会社に残ってくれることになった。

 同時に、「経営とは、経営者が持てる全能力を傾け、従業員が物心両面で幸福になれるよう最善を尽くすことであり、企業は経営者の私心を離れた大義名分を持たなくてはならない」という教訓を得た。公明正大な事業の目的や意義があってこそ、従業員の心からの共感を勝ち取り、全面的な協力を得ることができる。

 この事件によって気づきと教訓を得た私は、京セラの経営理念を次のように定めた。

この要約を読んだ方は、
他にこんな要約も読んでいます。

共感経営 「物語り戦略」で輝く現場

野中郁次郎 日経BP・日本経済新聞出版本部

ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則

ジム・コリンズ 日経BP

パーパス経営 30年先の視点から現在を捉える

名和高司 東洋経済新報社

BCGが読む経営の論点2022

ボストン コンサルティング グループ(編) 日経BP