2021年6月号掲載

億万長者だけが知っている教養としての数学

Original Title :Million Dollar Maths

科学・技術・環境社会・政治
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著者紹介

概要

ギャンブルから、投資、仕事術まで。16歳でケンブリッジ大学に合格した天才が、“数学”によって、富を増やし、人生を豊かにする方法を伝授する。数学が苦手な人でも大丈夫。私たちが、つい犯しがちな数学的な誤り、生活に役立つ数学的思考力の磨き方を、わかりやすく説く。ビジネスへのヒントが詰まった、ユニークな書だ。

要約

統計学的思考で損を排除する

 好むと好まざるとにかかわらず、私たちはお金が人生の様々なチャンスを生み出す社会で暮らしている。

 ゆえに、ある程度の数学力を持つ人なら、「どうすれば数学で学んだノウハウを活かして富を増やせるだろう?」と考えるのはごく自然なことだ。

 日常生活で数学的思考を働かせるのに、数学の天才である必要はない。数の仕組みや、データや確率を分析する時にありがちな失敗をきちんと理解していればよい。そうした誤りに通じておくことは、人生にとって大きな追い風となる ―― 。

大数の法則

 私たちは、統計が苦手だ。

 統計や確率に関する私たちの判断を惑わせる法則の1つに、「大数の法則」がある。

 これは、結果の集合の中から非常に巨大な標本を取ると、その集合の平均値に近くなる可能性が高いという原理だ。

 例えば、ある国の成人男性の平均身長が170cmだとすると、取る標本が大きければ大きいほど、その標本の平均身長はこの値に近づく。逆に、取る標本が小さい場合、たまたま長身の男性が何人か交じっていると、平均身長が180cmを超えることもある。標本が大きくなるに従って、平均身長は母集団全体の平均値へと収束していく。

 カジノが確実に儲けをあげられるのは、大数の法則のおかげだ。1台のルーレット盤を1時間しか回さなければ、カジノ側が大損する可能性はある。だが、50台のルーレット盤を1カ月間回しっぱなしにすれば、ゲーム数の多さによって、カジノの儲けはハウス・エッジ(賭け金に対するカジノ側の利益の割合を表したもの。取り分、控除率、手数料などともいう)の予測値に近くなる。

小数の法則

 「大数の法則」とは対照的なのが、「小数の法則」である。これは、標本が小さいと、そこから誤った結論を導き出しやすいという原理だ。

 例えば、新人の営業担当者が3カ月連続で好成績をあげれば、あなたはその人物が優秀な営業だと早合点してしまうかもしれない。だが、次の9カ月間は鳴かず飛ばず、ということだってある。これでは、正しい情報に基づく判断とはいえない。

フレーミング次第でブレまくる意思決定

 「小数の法則」は、意思決定の心理学の理解に大きく貢献したダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって提唱された。2人の最大の発見は、確率に関する人間の直感はいい加減きわまりないという観察結果だった。

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