ポストコロナの資本主義

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著者紹介

概要

いまだ終息の気配が見えないコロナ禍。COVID–19という名の新たな感染症は、世界に何をもたらしたのか、そして何を起こすのだろう。「接触追跡システム」によるプライバシーの問題、Zoomに代表される「仮想集会プラットホーム」の普及、グローバリズムの変化…。今起きている様々な事象を踏まえ、コロナ後の世界を描く。

要約

接触追跡システムの光と影

 1918年から1920年にかけて、世界を襲ったウイルス禍がある。2500~3900万人もの死者を出したとされるインフルエンザ、通称「スペイン風邪」である。

 この時の日本の死亡者数は約35万人。当時の日本の生活水準が欧米より劣っていたことを考えると、日本の対策は「成功」のうちに入るだろう。

 そして、それは良きことと悪しきことの両方を日本にもたらした。良きことは、民衆を団結させたことだ。当時、広汎な民衆運動として、マスクとうがいの励行などの動きが広まった。

 だが、良きことは悪しきことにもつながる。

 民衆レベルでの「総力戦」が、その後の日本の国家のかたちに影響したようにも思えるからだ。この時の経験が、昭和の国家総動員体制の下敷きになるような、国家権力と民衆の精神的結合を作り出す素地になったと見たら、歴史の見方としてシニカル過ぎるだろうか。

 今回、COVID-19と名付けられた感染症が世界を襲った。それは私たちの世界に何を運んで来たのか、そして何を起こすのだろうか。

 コロナ禍において、多くの国で展開されつつあるのが「接触追跡システム」だ。

 その多くは、次のような仕組みになっている。①特別なアプリをインストールしたスマホを持っている人同士が近づくと、②スマホが自動的にIDを交換して記録し、③記録された近接履歴のある人の感染が事後的に判明すると、④スマホに感染者と近距離にいた履歴が表示され注意を促す。

 こうした構想が明らかになると、これがプライバシー侵害や監視社会化への入り口になりかねない、という懸念が噴出した。

 その懸念の声に応えて、多くの国では、個人特定情報をIDにせず、ランダムに作成された数字列をIDにして、IDがわかっても個人特定情報はわからない仕組みを採用している。こうなっていれば、政府も勝手に人々の履歴を追跡できない。

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