白人ナショナリズム

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著者紹介

概要

トランプ政権誕生後の米国、そして近年、欧州各地で目に付くのが「白人ナショナリズム」だ。自国第一主義、白人中心の社会秩序の維持、反移民などを訴え、勢力を伸ばしつつある。その論理、心理はどのようなものか。今後どうなるのか。社会の分断を深め、リベラルな国際秩序を揺るがす、この文化的反動の動向を考察する。

要約

白人ナショナリズムの論理と心理

 米南部テネシー州ナッシュビル。2019年5月、当地のホテルで、雑誌『アメリカン・ルネサンス』(AmRen)の年次会合が開催された。

 同誌を主宰するのは、米国の白人至上主義の指導者的存在とされるジャレド・テイラーである。

まるで学会のような雰囲気

 現在、AmRenの年次会合は、白人至上主義系のものでは全米最大規模とされる。日本でも有名な白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン」(KKK)の元最高幹部も過去に参加している。

 白人至上主義といっても、KKKのように白三角頭巾に白マントという格好ではなく、男性はネクタイとジャケットの着用が義務付けられている。

 学生から教授、弁護士、医師、ビジネスマンまで職業は様々だが、参加費が200ドルということもあり、低学歴・低スキルの白人、いわゆる「プアホワイト」を連想させる者は見当たらない。

 会合の雰囲気は学会のようだ。登壇者の講演、質疑応答が続き、パワーポイントも多用される。

自分たちはリベラルな社会秩序の「犠牲者」

 主宰者のテイラーは、「私は人種差別主義者ではない」と断言する。そして、次のように言う。

 「『白人至上主義者』という表現には白人が他の人種を支配するというイメージがありますが、今の白人にそんな力はありません」「もし日本に外国人が数百万単位で入ってきたら、日本人は違和感を覚えませんか? それに異議を唱えた時、『日本人至上主義者』や『人種差別主義者』というレッテルを貼られたらどう思いますか?」

 自分たちがリベラルな社会秩序の「犠牲者」であるという意識は、会合全体を貫いている。

 参加していた女性が、ラテンアメリカからの移民児童増加に伴う教育現場での「白人への逆差別」を訴えたのに対し、参加者の1人である作家ジョン・ダービシャーはこう答えた。

 「(メキシコ国境に)壁を作ろう」

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