2020年5月号掲載

ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である

Original Title :BRAIN RULES FOR AGING WELL

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著者紹介

概要

“人生100年時代”の今日、高齢者にとり「最強の資産」は健康な脳だ。では、加齢による衰えを防ぎ、明晰な思考を保つには何をすべきか? 「ジェロサイエンス(老化の科学)」の研究成果を基に、お勧めの方策を語る。ダンスをする、瞑想する、昔を懐かしむ…。こうしたことに取り組めば、脳が若返り、人生が楽しくなる!

要約

社交には驚きのプラス効果がある

 「ジェロサイエンス(老化の科学)」と呼ばれる研究分野がある。これは、脳がどのように年をとるかということや、加齢による脳の衰えを減らす方法などを研究するものだ。

 その研究の成果を見ていこう。

社会的な活動は脳のビタミン剤

 社会的な活動は、老いていく脳にとってビタミンやミネラルのようなもので、その効果は絶大だ。

 ある疫学者が、認知症でない高齢者1140人の認知機能と社交性について調査した。まず、被験者の社交性を評価し、その後、12年間、認知機能の低下度合いを計測した。その結果、最も社交的な集団は、最も社交的でない集団に比べ、認知機能の低下率が70%も低かった。

すぐにダンスを始めよう

 ダンスには科学的な恩恵がある。ダンスという、社会的交流を促す動作の効用を示す論文は多い。

 ある研究では、60~94歳の健康な高齢者を、半年コース(週に1時間)のダンス教室に参加させた。最初に、認知や運動などの能力を測定し、半年間のレッスン後にも測定した。対照群として、教室に参加しない高齢者についても調べた。

 その結果、認知機能は13%、姿勢保持力やバランスも約25%向上した。ダンスをしなかった対照群は、すべての能力において得点が下がった。なお、ダンスの種類には関係がなかった。

ストレスは衰えを加速させる

 ストレスを減らすことは、免疫系にとって重要である。免疫系は年をとると自然に衰えるが、ストレスが多いと衰えが加速するからだ。

 しかし、ストレスホルモンの濃度が高まると、T細胞は死ぬ。実際、ぎすぎすした結婚生活を送る人は、幸せな結婚生活を送る人に比べて、傷が癒えるまでにかかる時間が1.4倍も長い。

 ポジティブな社会的相互作用とストレスの軽減と長寿との関連を裏づけるデータは増える一方だ。

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