2019年11月号掲載

望み通りの返事を引き出す ドイツ式交渉術

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著者紹介

概要

ドイツ最高峰のビジネススクール教授による、交渉術の指南書である。交渉前の準備、交渉中のコミュニケーション、即効のテクニックなど、実例と研究に裏打ちされた交渉術の数々が語られる。ビジネスからプライベートまで幅広く役立つノウハウは、交渉において良い結果を引き出し、「生活の質」を高めるのに役立つだろう。

要約

交渉前に有利な立場にたつ

 私たちは、事あるごとに交渉している。どこに旅行に行くか、夕食は何を食べるか…。もちろん、職場でも交渉はつきものだ。

 交渉のコツは、大きな鍵束の中からすばやく状況にあった鍵(テクニック)を選び出すことだ。ここで紹介するテクニックを使えば、十分な成果を上げられるはずである。

畏縮させるテクニックで優位にたつ

 交渉をうまく進めるコツは、自分の立場を有利にすることだ。交渉に長けた人は、交渉が始まる前から自分が優位な印象を相手に植えつける。

 例えば、あなたがこれから内見しようとしているマンションの部屋の売主が、運転手つきの超高級車でやって来たとする。あなたはそれを見て、どんな気持ちになるだろうか? あなたは社会的地位の高い人物との取引が始まることに舞い上がり、恥ずかしくて値引き交渉などできなくなる。

 初対面の時に社会的地位の高さをアピールするのは、詐欺師の常套手段だ。彼らは昔から、人間の注意がどこに向けられるかを把握していた。

制限時間のプレッシャーを利用する

 交渉では、時間的なプレッシャーの下に置かれている側の方が立場は弱い。あなたに時間的な制約がある場合は、相手に悟られないようにしよう。

 その一方で、相手側にどんな時間的な制約があるかは把握しておいた方がいい。相手が自ら事情を話してくれることが理想的だが、相手が何も言わなくても、時間的な制約と無縁の交渉相手はめったにいないというのは、頭に入れておこう。

 相手が何も言わない時は、交渉の進み方をわざと遅らせて、相手が動揺するかどうか様子をうかがおう。相手は、もっと早い時期に次回の交渉日時を設定しようとするかもしれない。あなたが延期すると、不機嫌になるかもしれない。

代替案なしで交渉してはいけない

 互いの優位性をはかるには、交渉が成立しなかった場合に失うものが大きいのはどちらかを考えてみるといい。その際に、役立つのがBATNA(バトナ)だ。

 BATNAとは「交渉で合意が成立しない場合の最良の代替案(Best Alternative To A Negotiated Agreement)」の略である。

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