2018年7月号掲載

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

日本の未来に起こり得る問題を年代順にまとめた『未来の年表』の続編。今回は、少子高齢化で人々の暮らしがどうなるかを具体的に示す。大都市に「幽霊屋敷」が続出、「天空の老人ホーム」と化すタワーマンション、黒字企業の廃業…。10年、20年後、身近に起こる問題を挙げ、今から個人や企業、地域でできる対策を提案する。

要約

人口減少の日本で起きること

 日本が少子高齢社会にあることは、誰もが知る「常識」だ。だが、自分の身の回りで今後起きることをわかっている人は、どれほどいるだろう?

 日本は劇的に変わっていく。

大死亡時代が訪れる

 日本では、高齢者の「高齢化」が進んでいる。75歳以上の人口が1770万人となり、65~74歳の1764万人を超えた(2018年3月1日時点)。

 「高齢化した高齢者」の増大は、大死亡時代につながる。2017年に134万人を数えた年間死亡数は、団塊世代が90代となる2040年頃に、167万9000人でピークを迎えるまで増え続ける。

 高齢化した高齢者の増大は、葬式の在り方も変える。残された人も少ないから、参列者も小規模となる。法事をしない人もいる。葬式や法事をすることは「日本の慣習」といえるほどポピュラーだったが、これでは寺も経営的に立ちゆかない。

 少子高齢化は、「日本の風景」を変えつつある。

東京や大阪の繁華街に「幽霊屋敷」が出現する

 やがて繁華街で「幽霊屋敷」を目撃するだろう。

 空き家率が30%を超えた地域は、急速に治安が悪化し、スラム化し始めるという説がある。野村総合研究所の試算では、2033年の空き家率は30.4%に達するから、この説に従えば、2030年代の日本は東京も含めて、荒んだ風景が広がる。

 都市部の空き家の中心はマンションである。マンションは累計戸数が600万戸を超えている。国土交通省の資料によれば、2016年の築30年以上のマンションの総数は172万7000戸だ。

 マンションの劣化を防ぐには12~15年ごとの大規模修繕が必要とされる。だが、高齢住民の管理費滞納などにより管理組合が機能せず、修繕できない事例が増えている。それが、今後、大都市に幽霊屋敷を出現させる可能性を大きくしている。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

良心をもたない人たちへの対処法

マーサ・スタウト 草思社

人新世の「資本論」

斎藤幸平 集英社(集英社新書)

沈黙の春

レイチェル・カーソン 新潮社(新潮文庫)

スマホ脳

アンデシュ・ハンセン 新潮社(新潮新書)