2018年2月号掲載

予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

Original Title :PREDICTABLY IRRATIONAL Revised and Expanded Edition:The Hidden Forces That Shape Our Decisions

※『TOPPOINT』にお申し込み頂き「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

我々の行動には、「不合理」な点が多くある。例えば、希望額以上の給料を貰っていても、同僚より安いと不満を感じる、といったように。本書は、様々な実験を基に、この人間の不合理性 ―― 規則性があり、予測可能な不合理性を解明する。これを理解すれば、ビジネスなどで大きなチャンスを掴むことも可能だ!

要約

相対性の真相

 通常、経済学では人は合理的であり、直面する問題について最善の行動をとっている、と考える。

 ところが、我々は経済理論が想定するよりはるかに合理性を欠いている。その上、我々の不合理な行動は規則性があるため、予想もできる ―― 。

*  *  *

 経済誌『エコノミスト』のウェブサイトに、次のような広告があった。

  • ①ウェブ版の年間購読:59ドル
  • ②印刷版の年間購読:125ドル
  • ③印刷版とウェブ版の年間購読:125ドル

 ここで注目すべきは、②と③の価格が同じ点だ。印刷版だけと、印刷版とウェブ版両方の値段が同じなら、誰が印刷版だけにしようと思うだろう?

 この心理を利用して、広告は、ウェブ版だけの購読を選ばせずに、もっと高いウェブ版と印刷版のセット購読を選ばせようとしたに違いない。

 恐らくエコノミストのマーケティング担当者は、人間の行動について重要なことを知っていたのだ。

 人間は、物事を絶対的な基準で決めることはまずない、他のものとの相対的な優劣に着目してそこから価値を判断する、ということを。

 ②の印刷版だけの購読と比べた途端、 ③のセット購読は明らかに勝って見える。

 事実、この3つの選択肢を学生100人に選ばせたところ、①16人、②0人、③84人となった。

この要約を読んだ方は、
他にこんな要約も読んでいます。

人新世の「資本論」

斎藤幸平 集英社(集英社新書)

日本経済 予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方

鈴木貴博 PHP研究所(PHPビジネス新書)

共感経営 「物語り戦略」で輝く現場

野中郁次郎 日経BP・日本経済新聞出版本部

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

デヴィッド・グレーバー 岩波書店