2018年1月号掲載

退屈すれば脳はひらめく

Original Title :BORED AND BRILLIANT:How Spacing Out Can Unlock Your Most Productive and Creative Self

自己啓発科学・技術・環境健康・メンタルヘルス・医療
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著者紹介

概要

メールの返信、ツイッターの更新、ニュースアプリのチェック…。スマートフォンの普及後、人々は暇さえあれば端末をいじり、時間を潰している。だが、そのせいで集中力や創造力が失われているとしたら? 本書は、スマホなどテクノロジーの問題点を、興味深い実験・研究を紹介しつつ述べ、「退屈する」ことの大切さを説く。

要約

退屈とひらめき

 私たちは、かつて人類が経験したことのないほど、多くの情報にまみれている。

 スマホとタブレットが広まった結果、モバイル端末の利用時間は1日当たり平均2時間57分、画面に向かって過ごすのは11時間にもなる。これが健康に悪いかどうかはまだわからないものの、テクノロジーが私たちを変えつつあるのは確かだ。

 膨大なデジタル情報にいつも接していたら、人間の想像力や、集中力はどうなってしまうのか?頭を常にせわしなく動かすことで、物思いにふける時間を失うとどうなるのか?

ひらめくためには、退屈する必要がある

 人が何もしていない時や、目の前の作業に集中していない時に脳が行う活動のことを、「マインドワンダリング(心がさまようこと)」という。

 人は何もしないでぼーっとしている時、ユニークなアイディアや問題を解決する方法を思いつく。未来学者のリタ・キングは、これを「創造のための退屈」と名付けている。

 認知神経科学者で、マインドワンダリングに詳しいジョナサン・スモールウッド博士は言う。「独創性や創造力と、ぼーっとしている時にふと浮かぶ発想は、非常に深いところで密接につながっている」。つまり、ひらめくためには意識的に退屈する必要があるのだ。

退屈することのメリットとは?

 心理学者のサンディ・マン博士は、退屈という感情に強い関心を抱き、ある実験を行った。

 まず参加者たちに、電話帳にのっている番号を手書きで写すという退屈なことをしてもらった。

 作業を終えると、今度は2つの紙コップの活用法をできるだけたくさん考えてもらった。参加者が思いついたのは植木鉢や砂場の遊び道具など、いまひとつ独創性に欠けるアイディアだった。

 次に、事前の作業をもっと退屈なものにした。電話番号を書き写すかわりに、音読してもらったのだ。すると、より退屈な課題をこなした後の方が、紙コップの活用法についてユニークなアイディアが生まれた。イヤリングや電話、色々な楽器、さらにはマドンナ風のブラまで。

 マンは、この実験で自身の仮説を証明した。つまり、退屈している人はそうでない人より独創的に考える、と。

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