2016年10月号掲載

TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド

Original Title :TED TALKS

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著者紹介

概要

ビル・ゲイツやアル・ゴアをはじめ、様々な分野の著名人が講演会を行い、今や世界が注目するカンファレンス「TED」。その代表による、TEDの公式ガイドである。聴衆の心をいかに開くか、暗記するのかしないのか、出だしのトークをどう工夫するか。共感を生み、人を動かすスーパープレゼンのノウハウが、具体的に説かれる。

要約

人の心を動かすトークのスキル

 「TED」は、テクノロジー、エンタテインメント、デザインの3分野を結び付ける、年に一度のカンファレンスとして始まった。最近では分野を拡大して、様々なトピックを取り上げている。

 TEDの登壇者は、観客に自分のアイデアを伝えようと、トークを念入りに準備してくる。僕と仲間たちは、何百人もの講演者とともに、メッセージを作り上げ、それを伝える手助けをしてきた。そして登壇者から、見事なトークをどう準備して届けたらいいかを、直々に教わる機会に恵まれた。

 そのノウハウを紹介しよう。それらは、あらゆるパブリックスピーキングに役立つだろう。

それで、何が言いたいの?

 トークの目的は、意味のある何かを伝えることだ。だが、それができていないトークが多い。たくさんの言葉が尽くされてはいるが、なぜか聞く人に残るものが何もない。

 そんなことになる一番の理由は、講演者がトーク全体を正しく計画できていないことにある。箇条書きを並べ、文章をつないでトークを準備したかもしれないが、全体を貫く横糸についてはまったく時間を使っていない。

 演劇や映画や小説の分析に使われる言葉がある。「スルーライン」だ。1つ1つの物語の要素を1つにまとめる、一貫したテーマのことだ。話し手が築こうとするアイデアのすべての要素を結びつけるひものようなもので、トークに欠かせない。

 スルーラインのない話の冒頭はこんな感じだ。

 「先日のケープタウンへの旅での経験を皆さんにお伝えして、旅について私が感じていることをここで挙げてみます…」

 「この間ケープタウンに行った時、赤の他人について改めて学んだことがあります。他人を信用していいのはどんな場合か、絶対に信用してはいけないのはどんな場合か。私に起きた正反対の2つの体験を例に挙げましょう…」

 最初の切り口は、家族に話すにはいいかもしれない。でも、2つ目ははじめからスルーラインが明らかで、はるかに聴衆を引き入れやすい。

この本の要約を読んだ方は、
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ジム・クウィック 東洋経済新報社

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鹿毛雅治 中央公論新社(中公新書)

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デビッド・ロブソン 日経BP・日本経済新聞出版本部

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