2002年8月号掲載

ウォー・フォー・タレント “マッキンゼー式”人材獲得・育成競争

Original Title :The War for Talent

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著者紹介

概要

本書は、経営コンサルティング会社のマッキンゼーが導き出した「人材獲得・育成競争に勝つための法則」を紹介したもの。米主要企業の綿密な調査・研究から、特に経営に大きな影響を与えるマネジメント層の人材強化法がまとめられている。工業社会から情報社会への移行とともに、「人材育成競争(ウォー・フォー・タレント)」が雌雄を決すると主張する。

要約

人材育成こそが勝利のカギ!

 情報時代の幕開けとともに、企業の人材への依存度が一気に高まった。すでに現時点で、知識労働者を必要とする仕事は全体の60%を超えている。

 知識労働者が多く必要とされるということは、優秀な人材の重要性がさらに高まるということにほかならない。

 シスコシステムズのチェンバースCEO(最高経営責任者)は、この点をこう表現している。「世界的なエンジニアとその仲間5人で、平均的なエンジニア200人分を上回る生産力がある」。

 今や「人材」こそが業績を押し上げる要因であり、人材を引きつけて育てる力が競争を勝ち抜く武器になる。この大きな戦略的転換点が「人材育成競争(War for talent)」なのである。

 この競争を激化させる基本的要因は3つある。すなわち、工業時代から情報時代への移行、そして、優れた経営管理能力を持つ人材へのニーズの高まり、社員の転職志向の増大である。

 こうした構造的な流れの中、とりわけ「マネジメント力(経営管理能力)」を持つ人材をめぐる戦いが、企業競争力にますます大きな影響を与えていく。なぜなら、グローバリゼーション、規制緩和、テクノロジーの急激な進歩とともに、ほとんどの産業で競争原理が変わり、マネジャーの仕事はかつてなく困難になっているからである。

 人材マネジメントへのアプローチは、今後10年で著しく進歩するだろう。ちょうど、1980年代に品質管理が飛躍的に進歩したように。

 マッキンゼーは、米企業の1万3000人近くのマネジャーへの調査、27社のケーススタディ、100社以上とのプロジェクト経験から、人材育成競争に勝つための「5つの行動指針」を導き出した。その5つとは、次の通りである。

    • ①「マネジメント人材指向」こそ経営層の要件
    • ②人材を引きつける魅力の創出
    • ③リクルーティング戦略の再構築
    • ④マネジメント人材が育つ組織
    • ⑤人材マネジメントにおける選択と集中
    •  

人材育成競争「5つの指針」

①「マネジメント人材指向」こそ経営層の要件

 「マネジメント人材指向」とは、「マネジメント人材の強化・育成」を組織の仕組みや考え方の中心に位置づける企業文化のことである。

 さらに具体的に言えば、「業績アップと競争力の獲得を実現するのは有能な人材である」という信念が、組織全体に浸透している状態だ。

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