2016年5月号掲載

外資系トップの思考力 経営プロフェッショナルはいかに最強の解を生み出すのか

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概要

変化が激しく、先が見えにくい今日、いかに考え、決断するか。外資系企業の経営トップたちが、「思考力」について語る。「経験をプラスにしながらも常に自己否定をし続けないといけない」「怪しいと感じたら自分で調べる」…。修羅場をくぐり、「最強の解」を出してきた経営プロフェッショナルが発する言葉は重く、含蓄に富む。

要約

「最強の解」を生み出すには

 変化が激しい今日、問題の本質をどのようにとらえ、いかにして解決策を編みだせばよいのか。そのヒントを探るべく、外資系企業で活躍するトップに、彼らの思考法やその鍛え方を尋ねた――。

麻野信弘 ダイソン(株)代表取締役

 いい意味で疑ってみる。

 怪しいと感じたら自分で調べる。

 いい意味で疑ってみる、という視点が大事だと思う。例えば、今の販売状況は本当にいいのか。届いた情報は正しいのか。私はセールスマーケティングの現場でずっと数字と格闘してきたから、怪しいと感じたら自分で調べる。

 何かを思考するには、まず考えるべき問題を設定しなければならない。その前提となる情報が間違っていたら、問題設定が狂ってしまうから、いくら正しい答えを出しても意味がない。大事なことは、最初に正しい問題を提起できるかどうかだ。

 ところが、こうした考えるプロセスを踏むことが日本人はどうも苦手なのではないか。疑ってみようとしない。言われたことをそのまま受け入れてしまう。要するに、思考停止してしまっている。だから問題設定ができないし、結果としてブレイクスルーも起こせない。

 日本人に思考力がないとはまったく思わない。しかし、周囲との摩擦を避けることを優先して、意見を言わないし、要求もされない。これに慣れると、だんだん物事を考えなくなっていく。

上野金太郎 メルセデス・ベンツ日本(株)社長

 自分の考えだけでは足りない。人に教えたり、教えてもらう。それが思考力を変えるんです。

 自分が持っている知識や経験を、どのように組み立てて、相手に投げられるか。あるいは、相手が組み立てた情報を、どうやってキャッチできるか。そこで理解が生まれ、互いの頭の中に浸透していくと、ある種のコラボレーションが生まれる。これが、僕の思うところの思考力である。

 脳には莫大なデータを保存しておけるが、一方で外に送り出すこともできる。特に若い頃は、いい情報は自分だけで取っておきたいと思うものだが、むしろ、いい情報こそ外に出して共有していった方がいいということが、年を追うごとにわかってきた。皆に教えればもっといいアイデアにつながるかもしれない。さらに、いろいろな思考回路が結ばれて、突破力のあるアイデアが生まれる可能性が出てくるのだから。

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