モノ造りでもインターネットでも勝てない日本が、再び世界を驚かせる方法

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著者紹介

概要

爆発的に普及したインターネットはビジネスの形を大きく変えた。グーグルやアマゾンを擁する米国勢に、かつてのモノ造り大国日本は取り残されつつある。これを再逆転する戦略が、著者の説く「センサーネット構想」だ。IoTでも、インダストリー4.0でもない、日本のセンサー技術を活かしたネットワークの可能性が示される。

要約

米国が主導するネット事業の弱点

 1980年代、日本製品は世界の至る所で売れに売れた。しかし、我が世の春は長く続かなかった。ソニーのエレクトロニクスはアップルに、NECの半導体はインテルに取って代わられた。

 なぜか? 米国が巧みに競争の焦点をシフトさせたからだ。20世紀と21世紀の境目で、米国は優位の基盤を「規模の経済」から「ネットワークの経済」に移したのだ。

 インターネットは、米国が何十年もの時間をかけて徐々に築き上げてきた通信基盤だ。その起源は、1969年、国防総省管轄下の高等研究計画局(ARPA)にある。これは全米4カ所のコンピュータを結んだネットワークとしてスタートした。

 1990年代初め、のちに副大統領になったアル・ゴアが「情報スーパーハイウェイ」を唱え、この軍事・学術用ネットワークが一般に開放され、インターネットとなる。

 それが2000年頃から爆発的に普及し、ビジネスのやり方が変わった。そして今、グーグルの時価総額は群を抜き、フェイスブックやアマゾンもトヨタ自動車に匹敵する時価総額を誇っている。

 日本がモノ造り大国への道を歩んでいた傍らで、歴史は方向転換し始めていたのである。

ネット事業

 残念ながら、日本にはグーグルやアマゾンに比肩する企業が見当たらない。楽天は日本でこそ健闘しているが、海外でのプレゼンスはまだまだだ。

 ネット事業で後追いが難しいのは、「ネットワークの経済」が働くからだ。すなわち、より多くの人が利用するほど1人1人が受ける便益が大きくなり、これが勝者の優位を拡大する。ネットビジネスでは、ユーザーが1人増えた時に追加でかかるコストはほぼゼロで、草創期に早くユーザーを増やした企業が圧倒的な優位に立つ。

 グーグルはユーザーの検索行動を、アマゾンはユーザーの知的関心を学習し、ユーザーを層別することで検索やお勧めの精度に反映させている。

 広告主は多くのユーザーが集まるグーグルに予算を割こうとするだろう。モノを売ろうとする企業も、多くのユーザーが集まってくるアマゾンヘの出品を最優先するはずだ。こうして、人知れずネットワークの経済が威力を発揮する。

狙い所

 では、先行する米国勢に対する方策はないのか。

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