2016年3月号掲載

牛肉資本主義

経済・経済学社会・政治
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著者紹介

概要

副題は「牛丼が食べられなくなる日」。そんな事態が、私たちの知らない間に進んでいる。犯人は、利益のためなら何でもやる「マネー資本主義」。リーマンショック後、次の餌食を牛肉に定めたグローバルマネーが、世界中で牛肉争奪戦を繰り広げているのだ。こうした「強欲化する世界」に、『里山資本主義』の著者が斬り込んだ。

要約

「牛肉」ブームの裏にあるもの

 世界の牛肉争奪戦。それは、今に始まったことではない。「爆食」と呼ばれる中国の需要拡大は、鄧小平による改革開放以降、幕を開けた。

 肉といえば豚や鶏、あるいは羊をイメージし、牛肉はどちらかというとスープのだし用だった食習慣が、次第に西洋化してきた。

 しかしこの1、2年の変化は、それと質的に違う。まったくの「別世界」になったのだ。

 世界で今いったい何が起きているのか。

中国内陸部で起こった空前の「牛肉」ブーム

 2014年、私は中国山西省の省都・太原市(人口約260万人)を訪れた。

 この内陸部の街にある、昔ながらの中華料理店で最近、人気メニューに躍り出た一品があった。「牛肉炒め」。日本でいえば、牛のばら肉を野菜と炒めた「牛野菜炒め」である。

 内陸部では、肉といえば豚か鶏で、「牛」はほとんど食べなかった。だから値段も安かった。

 しかし最近、豚や鶏より高くなった。

 客たちが次々と注文する牛野菜炒め。値段はどんどん上がって、今や一皿800円。結構な値段だ。だが実は、その値段の高さが人気の秘密なのだ。

 みんなが争って食べるため、値段が上がる。そうなると、客はますます食べたくなる。昔は豚肉が牛肉よりも格上だったのに、なんだか牛肉の方がおいしいような気がしてくる。冷静に考えれば、みんなが競って注文するほど、牛肉の方が格段に旨いとは思えない。でも、注文は殺到する。

 今、空前の牛肉ブームが起きているのだ。

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